まったく個人的なコラム

5、6年くらい前のこと。何か新規事業を立ち上げたい、と思っていた。
その時点ではもう独立起業して10年以上が経過しており、すでに写真屋とソフトウェア事業を軌道に乗せている状態だった。写真屋は人任せでも収益があがる仕組みを作り上げていたし、ソフト事業もメンテナンスだけで収益が得られている状況だ。ソフトは新規開発すらする必要がなかった。
要するに暇だったのだ。ほとんど隠居みたいな生活。まあ、細々とした生活なら、もう働かなくても暮らしていける。このままずっと隠居でもいいかなと、いっときは思ったけど、やっぱり暇すぎてつまらない。結局、刺激欲しさで何か事業を立ち上げたいと思っていたのだ。
新事業は、まるで経験したことのない事をやってみたいと思っていた。真剣に調査をした。結果、2つの事業が候補に残った。コーヒー豆の自家焙煎屋と保険乗合代理店だ。まるでつながりが無いね。うん。でも、本気で検討した結果がこれなんだ。
コーヒー豆の自家焙煎屋を選んだのは、コーヒーが好きだからだ。焙煎の腕を磨いて最高においしいコーヒーが飲みたい。これが最大の理由。もちろん、ビジネス上の理由もある。焙煎前のコーヒー豆は生豆って言うんだけど、これは劣化が遅く(数年保管できる)不良在庫になるリスクが小さい。あと現金商売だから資金繰りで苦労しない。粗利率が大変高い。それにも関わらず、技術的要因と事業規模の関係から大手が参入しずらい。つまりニッチビジネスなんだ。それから1店舗を立ち上げる資金が1,000万円未満程度と比較的安い(写真屋は2,000万円以上する)ことも理由の1つだ。
ただ、問題もある。多店舗展開しずらいのだ。焙煎は技術が必要で、一人前になるのに年単位の修行が必要だ。ということは、2店舗目は、自分以外にもう1人焙煎技術者を作らないといけないということだ。こういう、人に頼ったビジネスというのは大きくできない(だから大手が参入してこない)。そもそも、自分が休むと収益が途絶えるビジネスってイマイチだよなぁと。これがネックだった。将来的には自分がいなくても収益が上がる仕組みで多店舗展開する形じゃないとやる気がしない。ということで却下した。
そして、全然違うところで保険乗合代理店も候補に考えていた。保険の代理店といってもいわゆる保険のセールスのようにこちらから訪問するタイプではない。店舗を構え、お客様にご来店頂き、FPがコンサルティングするスタイルのいわゆる「ほけんの窓口」みたいな店舗型の代理店だ。
当時(5〜6年前)、様々なマーケット調査から、これは爆発的に儲かるビジネスだと確信していた。その利益構造はすごいものだった。当時はまだ世間にあまり知られていなかったけど、間違いなく今後10年間は成長し続けるだろうと思っていた。どうせみんな、数年でこのおいしいマーケットに気付くだろう。そうしたら過当競争になってしまう。だから早く参入した者勝ちだと思っていた。
ネックは、FP(ファイナンシャルプランナー)を取得している人の採用が必須なことだ。しかし幸い自分も妻もFPを持っていたし、この資格保有者は世間にも多いので採用も難しくないだろうと思い、これも好都合だと思った。
だけど・・・結局やめた。そして、まあ、知っている方は知っているとおり、某スクールで簿記関連の書籍執筆したり講師やったりと、そんな道に進んだわけだ。
これ、未だに、ああ、あの頃、保険ビジネスに参入していたら、うまくいけば億単位で儲かったよなぁと思う。事実、店舗を出そうと目を付けていたテナントには、その後、本当にほけんの窓口が入居して大盛況だ。立地を見る目は間違えていなかった。当時は、本当に本気だった。保険販売の仕組みを身をもって知るために、保険代理店で丁稚奉公をしようとメットライフアリコの面接まで受けて、入社寸前までいっていた。
だけど、やっぱりやめた。なんでやめる気になったのか、自分でも分からなかった。なんというか性に合わないんだよなぁと。そういう感じでやめた。テレビで速水もこみちのCMとか見ると、ああ、あのときやっておけば儲かったのにとチクチクと思う。
「なんで自分があのとき保険ビジネスをやらなかったのか」この不可思議な気持ちを抱えながら年月が過ぎてしまったけど、今日、ふと、あるブログを見ていて腑に落ちた。これだ。(是非このリンク先を先に読んでほしい。でないと話がつながらないから。)
刺さった。これだと思った。実は自分自身は保険には入っていない。正確には入っていたけど、全部解約した。生命保険も医療保険も。残っているのはクレジットカード付帯の保険くらいだ。
なぜか。FPと意思決定会計の勉強していたら、どうにも保険が損な取引に思えて、とても続ける気になれなかったからだ。ということは、逆に言えば、ビジネスとして見れば、保険はとても儲かる商品なんだ。
なぜ、そんな商品が売れるのか。それは、お客さんにリテラシーが無いからだ。でもリテラシーが無いことは、決して悪いことではない。教えてあげればいいじゃない。そして、その人のスキルが上がって喜んでもらって、それに見合う対価を頂ければいい。ビジネスっていうのはそういうもの。
それが、根拠にもとづかない話で将来の不安をあおり、お客さんのファイナンシャルリテラシーのないのを良いことに、さも得するように話を誘導して、利益率の大きい商品を販売する。私自身が馬鹿らしいと思って解約したサービスを他人に勧めることが出来るだろうか。どうにも好きになれないのだ。
確かに儲かるし、きれいな仕事だ。保険のセールスといっても訪問販売ではなく、お客様から店舗に出向いてきてくれるのだ。小奇麗なカウンターでパソコン使ってプレゼンして、将来設計とかグラフで見せて喜んでもらいつつ、1件契約取れれば数万円から数十万円の利益が得られる。それが何年間も続くのだ。ビジネスと割り切ればやらなきゃ損だ。でも、やっぱり違和感あるんだよなぁ。
そんなとき、読んだこの記事が刺さった。これだよ。これ。PCデポのときもすごく憤りを感じた。どうも、こういうの嫌いなんだなぁと思った。
で、最近の話。某社を辞めた時、まあ、お互い言い分はあるのだろうけど・・・
なんというか、あの会社では経営者としての矜持を削られていくようで、それが嫌だったんだと気付いた。当時は、それが何なのか、どういう気持なのか自分でもよく分からなかった。でも、ようやく何なのか判明した。
P.F.ドラッカー著「エッセンシャル版マネジメント」に、こうあるそうだ。「マネジメントたるもの<中略>プロフェッショナルの倫理を要求される。 それは<中略>知りながら害をなすなである」
奇しくも、このブログの名称はプロフェッショナル簿記だ。なぜそう名付けたか。それは、自分が手掛けたことについては、プロフェッショナルになりたいし、プロフェッショナルでありたいと思っているからだ。では、プロフェッショナルとは何か?と聞かれると、これがもどかしいほどうまく表現できない。でも、ようやく分かった。すくなくとも倫理観については言語化できた。「知りながら害をなすな」だ。
簿記とはなにも関係ない話ですみませんでした。
それから、保険関係にお勤めの方やそれ以外の方も含め、もし本記事をご覧になり、ご気分を害されたら申し訳ありません。未熟な私の我儘な心情の話にすぎません。どうかご容赦を。
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先生こんにちは。
これを読んで、先生とスクール間のトラブルの原因がわかった気がしました。
先生は、ほとんど隠居みたいな生活なので、時間にもお金にも心にもゆとりがあるんですね。
でも、スクールは経営をしなければいけない。
しかも、あまり余裕がないのではないでしょうか?
そうすると、自然に経営者の心にもゆとりがなくなり、
目先のことにとらわれて、ロングスパンで物事が考えられなくなります。
そうなると「富久田先生の理想論はわかるけど、そんなことでは経営がなりたたない!」
みたいになってしまうのかな?と思いました。
合格者がたくさんでれば、評判があがる⇒生徒が増える。
でも、すぐに合格されると辞められてしまう⇒収入が減る。
だから、生徒を逃がさないように次の講座へと導いていかないといけない。
みたいな理論になってしまうのではないでしょうか?
それにしても、富久田先生はすごいですね。
私の理想とする生活をされています。
そんな生活をしてみたい。
でも、そうなるまでに相当ご苦労をされているのではないでしょうか?
先生の成功例を活かして、起業家セミナーとかをやられてはいかがですか?
どのようにして、今の生活を手に入れられたのか、すごい興味があります。
きゃろるさんへ
前半はノーコメントで(笑)
>でも、そうなるまでに相当ご苦労をされているのではないでしょうか?
お店を立ち上げるときは、それはもう本当に大変でした。寝る間も無いほど忙しいし、資金繰りもギリギリだし、仕事でもヘマやってへこむし。従業員との人間関係にも悩むし。競合店からは嫌がらせされるし。痩せましたよ。大げさではなく。
でも、苦労と思ったことはないなぁ。裁量が自分にあるからでしょうね。あと、お客さんに喜んでもらっているという実感が大きかったです。
>先生の成功例を活かして、起業家セミナーとかをやられてはいかがですか?
ないないない。
というか、起業なんて誰でも出来ますよ。特別なスキルなんて必要ないです。ただ、リスクを背負い込んで実行に移せるかどうかなんです。やるかやらないかだけです。それからトラブル起きても腹くくって臨機応変に対応できるかどうか。ほとんどの人は、起きるかどうか分かりもしないリスクを恐れて最初からやろうとしないだけです。
よく言いますよね。したい人、10,000人。始める人、100人。続ける人、1人。まあ、これは大げさだと思いますが、
起業したいとセミナーに来る人は、100人。
実際に行動を起こせる人は、10人。
それを続けられる人は、1人。
これくらいが実感として分かるなぁというところですね。
こんばんは。
隠居生活いいですね。。私もそういう風になりたいです。
リスクあり、資金繰りをしないといけないなど大変だったと察知します。
何よりも実行力が必要ですよね。
先生の起業セミナーがあれば参加したいです。
周りの人にはよく驚かれるのですが、私は50歳くらいまでの計画を立てています。
そこから逆算して今すべき事をやっている感じです。若いから今のうちに遊ばなあかんとか
いわれたりしますが、それはその人が思っている幸せであり私の幸せではない、と思います。
ですので、税理士・公認会計士の資格をとって独立!という目標があるのでそれに向けて頑張るって感じですね。。45歳までには実現できたらいいな~っと思っています。
今みたいに会社勤めも安定というのを考えるといいのですが、何よりも人の役に立ちたいです。
助けてもらうことが多い過去がありましたので、恩返しとはいかないですがそれに近い事をしたいです。
先生と同じですが、人を騙したりする仕事は嫌です。(今の会社はそれに近いですが・・)
話が逸れてしまいますが、先生の講義を受講してから上記以外にもやりたい事がたくさんできました。
私みたいに精神疾患がある人に寄り添う仕事などもしたいですし、色々な本をいっぱい読んだりしたい。書ききれないほどあります(笑)でも今は、日商1級に受かることを最優先に考えて勉強します。
maronさんへ
おはようございます。
>隠居生活いいですね。。私もそういう風になりたいです。
最初だけです。飽きますよ。結局仕事しているときが一番楽しいと思います。ただ、やらされている仕事だと辛いかもしれないですね。自分に裁量がある仕事だから楽しいのかもしれません。
>周りの人にはよく驚かれるのですが、私は50歳くらいまでの計画を立てています。
素晴らしいですよね。私も似た感じでした。
二十歳のとき、周囲に宣言していました。35歳までに1,000万円貯金して独立する。それから事業を成功させて50歳で仕事からは引退する。その後は社会貢献する、って本気で言ってました。本当にずっと言い続けてました。そうすると現実化するんですよね。事実、近い人生送ってます。夢って言い続けてると叶うなと本当に思います。
>話が逸れてしまいますが、先生の講義を受講してから上記以外にもやりたい事がたくさんできました。
とってもいいですよね。世の中って、自分が思うよりも、もっとたくさんの機会が転がっていて、それこそ、視野を広げて「チャンスを見つけるぞ!」という気にさえなれば、いくらでもやれることはあるんだと思います。
悩みのある人は、自分で自分の限界を決めてしまっている気がします。会社で辛いことがあるとします。すると「嫌なことがあるけど辞めるわけにいかないし・・・だから我慢するしかない」っていう思考だと思います。だから辛い。
でも、本当に辞めるわけにはいかないのでしょうか。その人が思うより、その人にはもっと色々な可能性あると思うんですよね。実行に移すかどうかは別としても、その可能性を知り、いざとなったら辞めても大丈夫というオプションを用意しておくことは、それだけで辛さを緩和してくれるものだと思います。
だからやりたいことをたくさん持つというのは、それだけで人生を豊かにしてくれるものだと思います。
こんにちは。
>隠居生活・・最初だけです。飽きますよ。
そうですか?私だったら、趣味に生きます!現在の趣味は絵画なので、いろいろな場所に行きたい。あとカメラを始めてみたいし、オーナメントも作ってみたい。でも、今全部諦めているので、ストレスが・・・。
起業はやりたいことと、やる気があればできると思います。でも、先生のおっしゃるとおり続けることが一番難しいと思っています。よく「たくさんの会社が起業されても、50年以上続けられるのはわずかである」と、言いますよね。
>お店を立ち上げるときは、それはもう本当に大変でした。・・・。でも苦労と思ったことはないなぁ
すごいです。苦労を苦労と思わないからうまくいくんですね。覚悟が違いますよね。
『35歳までに1,000万円貯金して独立する。・・・』と目標を立てて、実現させてしまうなんてすごいです。やはり、そういう人のお話は貴重だと思います。
きっとたくさんの人は簿記1級や税理士等の資格を取ることが最終目標ではないと思うんですよね。
機会があれば、いつかこのブログで起業に関する先生のお話を聞けるコーナーを作って頂けたらと思います。
maronさん
>周りの人にはよく驚かれるのですが、私は50歳くらいまでの計画を立てています。
私もすばらしいと思います。しかもそれをちゃんと実行できるなんて、えらすぎる。
私は40を越え20代に何もしてこなかったことを後悔しています。
女性が結婚の有無を問わず、ずっとどこかの会社で働くには、男性以上のスキル、知識・資格、経験が必要だと痛感しています。20代の時に15歳以上年上の女性達から
『10年先、20年先の自分を想像して、将来の自分の為に、今やるべきことをやらないといけない。』
と言われました。しかし、実感がわかず、のらりくらりと、流されるままの人生を送ってきて、後悔している現在です。
後悔していても仕方がないので、今出来ることをしていますが、この年になると年齢的にできないことも結構あるんですよ。例えが極端ですが、30歳を越えると警察官にはなれないみたいな。
なので、20代の若い子とお話する機会があると、先輩たちに言われたことと同じことを言います。じゃないと私みたいになるよと、脅しをかけてね(笑)。
なので、maronさんも今辞めたら将来きっと後悔すると思います。『若いから今のうちに遊ばなあかん』とかいう悪魔のささやきには屈せず、このまま頑張って!
>>先生、こんばんは。
私は隠居生活飽きない気がします。。自分が好きな事が出来ますし、、ただ自己管理できないと
駄目ですね。
先生も似た感じだったんですね!
私がこういう考え方をするようになったのは、2・3年前からです。それまでは何も考えていませんでした。ある日、大学受験の時に勉強をあまりしなかったので志望大学にいけずすごく後悔した事
を思い出しました。その日以来、約10年後にこういう思いをするんだな、と感じてからもっと先の
事を考えて、今という時間を大切にし次は後悔しないようにしようっと思い、50歳くらいまでの
計画(目標)を立てました。
周囲の人とは違う道で、勉強ばかりしてるので友人から連絡こなくなったりしましたが。。
私もなるべく計画を身内などに言って夢を叶えます。
先生のおっしゃるように、今は朝の出勤時辛いですが、目標があるのでオプションがつくまでは、この会社で幅広い仕事をさせてもらって将来の自分に生かそうと毎朝考えながら出勤してます。そう思うと意外にも足が動いてます。
もうすぐ試験・・全力で力を出し切って後悔しないようにします。
>>きゃろるさん、こんばんは。
自分で偉いと思った事なかったです(笑)周囲からは変人扱い受けてましたので^_^;
しようと思ったときには手遅れの時ってありますよね。私の大学受験みたいな感じで、後悔しても
取り戻せないですよね。でも今は、この経験して良かったと思っています。簿記という世界に出会うことができましたので。
脅しではないですよ(笑)その人の事を想っての言葉ですし。
ありがとうございます!頑張ります!!そういう風にいってくれる方と今で出会うことがなかったので
とても嬉しいです。同じ過ちをしない様に、悪魔のささやきは聞き流します。
自分の将来の為に、走り続けます!!
富久田先生、こんばんは。
某保険代理店に参入しなくてよかったと思いますよ。
実際、ちょっと問題がありましたから。
あと、父も保険会社勤務でしたが退職後、県民共済にしましたからねぇ。
なかなか、先生のように自分の矜持を捨てずにやっていくというのは、難しい。
というか、家族の同意もないとね。
先生のコラムって安直にこちらもコメントできないですね。
こちらも考えて、う~ん、となってしまう。
ま、先生自身が一本筋が通っているからなんでしょうが。
ブレイクさんへ
ブレイクさんのお父様は保険会社勤務だったのですね。ご気分悪くされたら申し訳ないです。
ま、少し言い訳がましいのですが、保険会社そのものには何も嫌な思いがないんです。販売代理店についてはどうなのよとは思いますが。
似たケースでは携帯会社(キャリア)のことは特に何とも思わないです。だけど、販売代理店についてどうなのよとは思うのです。
まあでも、生活もありますからね。職業に貴賎なしともいいますし。
なので、そんなに原理主義的に「リテラシーの低いお客さんから利益を得てはいけない」とは思っていないのです。
ただですね。リンク先にもありますがリテラシーの低さを”願う”ようになったらお終いだなとは思います。
富久田先生、こんばんは!
父の件については、特に気にしてませんので、大丈夫ですよ。
たしかに、「リテラシーの低さを願う」ということは、あとでお客さんが「騙された」と思った時に、「重要事項説明書」で説明したではないですか?と言っても、お客さんがおった心理的瑕疵については無過失責任を負うこともありえる、みたいなものでしょうか?
ブレイクさんへ
例えばの話なんですけどね。
5年前、うちの妻が進行性のガンになって手術受けたんですね(本当の話です)。2週間くらい入院しましたかね。で、本来、病院へ支払うべき金額は3〜400万円くらいだったと思うのですが、実際の支払額は月10万円くらいだったかな。なんかその他の費用入れても10数万円だった気がします。高額療養費制度使えましたから。
恐ろしく安くて驚きました。都内の一流の病院で最先端の手術をしてもらって、2週間入院して10数万円ですよ。すごいとしかいいようがない。しかも、万が一、それすらも払えない人には、支払いを待ってくれる制度もあるらしく、とてもご親切に説明してくれました。国民皆保険制度、恐るべしと思ったものです。
で、これだけ充実した国の医療保険制度があるのに、さらに追加で数万円もらうために、民間の医療保険に加入するって、どういう意味があるのかと思うわけです。これは、多分、ほとんどの人がこういう高額療養費制度みたいのを言葉では聞いたことあってもその実態を知らないためだと思うのです。
だったら、教えてあげればいいと思うんですよ。こういう制度ありますよって。でも、それじゃあ保険販売員は商売上がったりです。儲からない。それよりも、万が一ガンになったら生活破綻しますよ、保険が無いと大変辛いですよと、不安を煽った方が保険が売れる可能性高いわけです。相手が保険など金融商品のリテラシーがあればすぐにばれちゃうんですが、心の中で「気付かないでくれ!馬鹿のままでいてくれ!」って願いながら、無駄な保険を売りつけることも可能なわけです。
まあ、商売としてはそういうのもアリなんでしょうけどね。ただ、個人的には、そこまでして、お金儲けして、一方、機会原価として、商売人としての矜持を捨てるわけですよ。そうはなりたくないなぁと。「リテラシーの低さを”願う”ようになったらお終い」というのは、こんなイメージのことです。
富久田先生、こんにちは。
「だったら、教えてあげればいいと思うんですよ。こういう制度ありますよって」というのは、その通りです。
といいますか、先生のこのコラムを読んで私も上記のように思ったことなんですが、自分の思っていることを言葉にするのはなかなか難しいですね。
また、このような問題提起をするコラムを書いてほしいです。
面白いので。