本試験直前のケアレスミス対策

ケアレスミス対策は重要

ケアレスミス対策は重要です。100の論点を知っているけど10のケアレスミスをしてしまう人より、50の論点しか知らないけどケアレスミスをしない人の方が合格しやすいのが試験ってもんです。数値はテキトーです。

論点ばかりに目を向けず、ケアレスミス対策にも目を向けてください。今日は、ケアレスミス対策について書かせていただきます。

ケアレスミスパターン

  1. 問題の題意を読み間違えた、条件を読み飛ばした
  2. 電卓を打ち間違えた
  3. 下書きの数字を読み間違えた

ケアレスミスの代表パターンです。「よし、次は問題文をちゃんと読むぞ」とか「電卓をゆっくり打とう」「下書きの数字をきれいに書こう」なんて対策を立てるわけです。

いや、いいんですよそれで。間違っていはいないです。でも、なぜかそういう対策だけじゃケアレスミスって減らないんです。本気でケアレスミスを減らしたかったら、もう1歩踏み込んで考えてみましょう。

なぜ題意を読み間違えるのか

なぜ問題の題意を読み間違えたのでしょうか。
2つのケースが考えられます。

1つは、その問題が得意だから。
もう1つは、その問題が苦手だから。

ん?真逆ですね。でもどちらもあり得るんです。

その問題が得意なとき

「あ、これ出来る!」という問題に対峙すると「こう解くはず」という思い込みが芽生えるんです。

例えば、標準原価計算が得意で「操業度差異は?」と聞かれたら「実際と基準の差に固定費率を掛ければいい」と思い込むわけです。本当にそうでしょうか。

公式法変動予算で能率差異を標準配賦率にもとづいて算定しているならそのとおりです。しかし、固定予算を採用していたり、能率差異が変動費率から算定されていたら計算方法変わります。

しかし、思い込みっていうのは恐ろしいもので、一度、こうと思い込むとなかなかひっくり返すのは難しいものです。そして、トンチンカンな計算をしてしまう。これも一種のケアレスミスと言えるでしょう。

どうすればいいか。得意な問題こそ慎重にという姿勢が大事です。「出来る!」と思ったら「待て待て待て待て、大丈夫かその考えで?ワナは無いか?」って疑ってかかるのです。普段の練習のときから、そういう習慣を持つようにしましょう。

その問題が苦手なとき

その問題が苦手なときもケアレスミスをしがちです。「あ、この論点苦手かも」と思うと、その瞬間から脳は拒絶モードに入ります。分からないこと・理解不能なことを脳は嫌います。自然と情報遮断モードに入っちゃうのです。

結果、焦るばかりで、問題文が頭に入ってこない。また、早く問題から逃げ出したいので、ちゃっちゃっと読んでしまって、条件を読み落とすケースもあります。

どうすればいいのか

どうすればいいのでしょうか。

もっとも大切なことは、問題文に飲まれないようにすることです。問題文が主で自分が従の関係になってはいけません。苦手意識を持ちながら問題文を丹念に読もうとすると、萎縮してしまいます。そうではなくて、アバウトでいいので、そのかわり自分が主になるのです。

「確かこの問題はこう解くはずだ」「この条件が必要だ」というのを思い出してください。ん?それすらも全く思い出せない?それなら、スパッと諦めることも必要です。そういうときは、さっさと捨てるんです。この決断も大事です。

セール・アンド・リースバックが出た!

例えばセール・アンド・リースバックが出たとします。
「ああ、やばい。ここやってなかった。」という思いが生じたとします。「どうしよう、どうしよう」と思うと気持ちが浮つき始めます。問題文を読んでも頭に入ってこない。頭の中は、ぐるぐるぐるぐる同じところを回って何も進まない。時間ばかり経過して焦ってくる。

いけません。最悪のパターンです。

そして、試験後に解答・解説を見て「ああ、これなら分かってたのに・・・」となる。よくあるケースです。

セール・アンド・リースバック、全く何がなんだか分からなければ捨てましょう。悩むだけ無駄です。どうせ出来ません。でも、ああ、これなんかやったよなぁって部分的にでも覚えているなら、まずは落ち着いて出来るところを探す。部分点狙いです。

「セール・アンド・リースバックって言うくらいだから、まずはセール(売却)の仕訳があるはずだよな」と考えるんです。何の情報が必要でしょう。固定資産を売るんですから、簿価と売価が分かればいいんですよね。問題文のどこかからその情報ゲットしましょう。それだけで仕訳切れそうです。

続いてリースバックって言ってるんですから、リース契約して取り戻すわけですよ。リース契約をするからには、取得原価、割引率、リース料、契約年数などが分かればいいんですよね。その情報を探すんですよ。どっかに載ってるでしょ。それが分かればなんとか仕訳切れるはずです。

そして期末になったら減価償却をする。ここまでで、そこそこ点数取れるはずです。「うーん、セール・アンド・リースバックって他にもなんかやることあったよなぁ」って感じでも、まあ、いいじゃないですか。ここまで出来ればまあまあ十分です。

本当は、セール・アンド・リースバックの肝はこの先にあって、セールしたときに売却損益が出ていれば、これを当期の損益にするのではなく、前受収益や前払費用にしておいて、減価償却のたびに損益に振り替える処理が必要です。でもいいんです、そんなことは。苦手意識のある論点でも問題に振り回されずに食らいついた。まずはそれで十分です。そして、案外部分点狙いで解いていくと芋づる式に思い出してきて、結果的に最後まで解けたりするものです。

普段から「この論点はこの情報があれば解ける」を意識する

どうすれば、苦手論点でも、このように落ち着いて得点できるか。ポイントは、日頃から「この論点はこの情報があれば解ける」ということを意識して勉強することです。

試験では、自分が主体となって「必要な情報を問題文から拾い上げる」という気持ちで問題文を読むことが大事です。すると、不思議と脳が積極的になるんです。

大事なことなのでもう1度いいます。

「苦手だ、分からないかもしれない」という思いを持ちつつ義務感で問題を読むと脳が拒絶モードになります。こうなるともうダメです。「この問題を解くのに必要な情報を問題文の中から探そう。宝探し気分だ!」という姿勢は脳を活性化させます。

あと、使った情報には○なりなんなり印をつけましょう。すると、大方の情報を使ったところで、まだ印がついていない情報があることに気付く。これ、何に使うのかな、と思考すると「あ、そうか」と突然分かったりする。こんな感じで解いていくと、緊張せずにケアレスミスも防げるはずです。

なぜ電卓の打ち間違え、数字の読み間違えをするのか

2.電卓を打ち間違えた、3.下書きの数字を読み間違えたについて考えてみましょう。対処療法ではなくて根本療法です。

  • なぜ、そうなるのでしょうか。最大の原因は、焦っているからです。
  • なぜ、焦るのでしょうか。時間が足りないからです。
  • なぜ、時間が足りなくなるのでしょうか。タイム・コントロールをせずに問題を解くからです。

本試験のとき、おおまかに時間配分を決めてますか?
例えば、商会の場合、一般的には、会計学は30分前後が目安です。最長でも35分くらい。商簿は50分くらいを目安にします。残り5分から10分は、見直しと予備タイムです。

会計学を先にやる場合、ざっと問題文見て、どれくらいで出来そうかおおまかに決めましょう。

問1の理論は知っているか知らないかが勝負なので時間を掛けてもしょうがない。長くて10分以内。問2は頑張れば出来そうなので15分掛けて満点目指す。問3は難しそうなので部分点狙い。これは10分。こんな感じです。もちろん、実戦では、問題見て、得意不得意も含めて調整します。

とにかく、決めた時間とおりに一旦やってみるのです。もちろん、思ったより早く終る問題もあれば、予想外に手間が掛かる問題もあるでしょう。そんなときは、現場対応します。

「ちょっと遅れているけど、あと2,3分で出来そうなのでやっちゃおう」とか「このままじゃ大幅に遅れちゃうから、一旦離れよう」とか・・・。そうやって、タイム・コントロールが出来ていれば焦りはかなり抑えられます。

問題に主導権を取られて、振り回されて、気付いたら時間が経ってた。ああ焦る・・・。こうなると、少しでも早くやろうとして、電卓を叩く指も気持ち焦りぎみになって打ち間違いが発生するのです。

大事なことは、そうなる前の時間管理です。

最後に

突然ですが、みなさん、自分を褒めてあげてください。ここまで登ってきたのです。素晴らしいことじゃないですか。

つい最近、こんな記事が新聞に載ってました。

「事務関連機器大手のリコーは23日、今期の連結純損益が1700億円の赤字に転落する見込みだと発表した。米国販売会社ののれんなど固定資産で約1400億円、別の米ITサービス会社などで計約400億円の減損損失を計上することが響く。今期の営業損益も1600億円の赤字に大幅下方修正した。デジタル化やモバイル技術の発展で予想以上にペーパーレス化が進む中、国際会計基準(IFRS)に基づき買収事業の将来性を検討した結果、減損処理の必要が生じた。」

これ読んだ人の何割がちゃんと意味を理解できるのでしょうか。

  • 「のれんなど固定資産を減損して400億円の減損損失を計上した」ってあるけど「のれんって何?」「減損って何?」
  • 利益が「連結純損益が1,700億円の赤字」「営業損益1,600億円の赤字」ってあるけど、純損益と営業損益って何が違うの?
  • 「国際会計基準(IFRS)に基づき・・・」そもそもIFRSって何?

一般の方は、だいたいこんな感じです。

受験生のみなさんは、このニュース読んで「なるほど、リコーは、米国の販売会社を買収して、のれんを計上していたけど、減損の対象になっちゃたんだな。将来CFが簿価を下回ったってことか。確かにコピー機とか将来性なさそうだよなぁ。海外投資意思決定の失敗か。」なんて読み取れるのです。

あと「IFRSだと日本みたいにのれんを毎期償却しないって言ってたよな。その点はいいけど、減損になるときついよね。」こんな感じで、ほんの1,2分で読める記事ですが、ものすごく有益な経済情報が入ってくるのです。

全く同じ記事を読んでも、一般の方はさっぱり意味わからんで終わっちゃうんです。

この差が、毎日毎日続きます。一生です。ものすごい差になります。みなさんは、それだけの知識を身に着けているのです。経済活動は私達が生きている間はずっと続くでしょう。そして、それを記録する術は、10年経っても20年経っても、今と変わらず簿記であり会計でしょう。

それを読めて書けるスキルを皆さんは持ってます。素晴らしいことです。

試験合格も大事です。でも試験なんてのは、ある瞬間の結果にすぎません。試験は、年に2回もチャンスあります。全経上級入れれば年4回です。そして、何回でも受けられます。1回でいいから、どこかで受かればいいのです。

そんな感じであまり思いつめて緊張しないでほしいなと思います。

ラスト10日間です。後悔のないようにがんばりましょう。

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