日商簿記1級合格のための3つの意識改革

提言したい1級合格のための3つの意識改革

いや、すみませんちょっとタイトル盛りました。
別に意識改革というほどすごいものでもありません。
結構、当たり前のことかもしれません。

前置きでひっぱるのも何なんで、ずばりいきます。

3つの意識改革

  1. あなたが思っている以上に基本が大事
    1級の試験問題は基本論点だけで80点分はある。もう少し応用論点まで入れれば90点分はある。基本80点分を学習する労力と残り20点分を取りに行く労力は同じくらいと思っていい。なぜに、基本の80点があやふやなのに、そこを固めず、残り20点を取りにいくの?
  2. なんのために問題を解いている?単なる解く作業になってない?
    1級の勉強で必要なことは、目に見えるものの奥にある見えないもの(なにかの歌詞みたいだ)をつかむもうとする意識だ。2級までは目に見えるルールを暗記するだけで受かるけど1級はそれでは辛い。たくさん問題解いても、奥にあるものを見ようとしないで、解く作業に終始してもなかなか力がつかない。
  3. 分かっていることと得点できることは違う
    講義を受けた。ノートもとった。結構分かった気がする。さて、試験を受けた。あれ、うろ覚えだ。時間も足りないぞ。ミスもしちゃった。結果、不合格。よーし、次はがんばるぞ。これではなかなか受からない。長期化必至。
    講師は分かるように説明しているのだから、聞いたときに分かるのは普通のこと。大切なのは、その後。本当に自分の力だけで解ける?うんうんうなって自分の頭で考えた?繰り返し練習した?ここを疎かにしちゃいけない。

なかなか受からない人

あれも知ってる。これも知ってる。

企業結合は、合併、株式交換、株式移転、事業分離もやった。共同支配企業の形成も共通支配下の取引も勉強した。もちろん逆取得だって勉強した。応用論点も含めて網羅した。

為替予約だって、たくさん勉強した。振当処理も独立処理も暗記した。振当処理は、営業取引と資金取引など、たくさんパターンがあって覚えにくかったけど、がんばった。

だけど、どれも、ふわふわした理解。ぱっと聞かれて、ぱっと答えられない。まごまごしちゃう。

もうね。そういうのやめましょう。

そういう人、たくさん見てきました。受からないんですよ。それだと。なかなか。

基礎をしっかりやる。まずは基礎を固める。
基礎が出来たら、応用に手をのばすんじゃなくて、基礎論点の奥にある目に見えない概念をつかむように思考する。で、納得する。腹落ちする。

さらに、

それだけで、終わらしちゃだめ。そのあと練習する。基礎を繰り返す。徹底的に体に染み込ませる。

だまされたと思って、そういう勉強してみて。

本当にかなり合格可能性上がるから。ほんと、受かるから。もうね、受かろうよ。みんな。

例えば超定番論点の為替予約

たとえば、為替予約の振当処理。どんなふうに勉強してる?

テキストの仕訳を暗記してない?まあね、そういう勉強方法もアリっちゃアリ。悪くはない。
でもね、それだけだと、いざ本番になると緊張したり忘れちゃったりで力を発揮できなかったりする。

そもそも、振当処理ってなによ?
誰が何のためにやってるの?
で、なぜ、そういうふうに会計処理するの?
仕訳覚える前に、まずは、そこきちんと押さえましょうよ。

例えば、今、為替レート@100円で1万ドルの売掛金持っているとする。
決済は半年後。
「半年後に円高で@90円とかになったらやだなぁ」って思って、
今のうちに為替レートを固定化させるのが為替予約。ここまでいい?

で、銀行に聞いたら、予約レートは@102円だと。
よーし、予約しようってことで、1万ドルの売掛金が102万円で確定するわけですよ。

で、普通のテキストだと、ここで予約日やら決算日の仕訳が書いてあっておしまいなんだよね。

でもね、ここで疑問に思いません?
なぜに、直物レートが@100円なのに、銀行は@102円の予約レートを提示したのかと。
これ銀行は損しないの?だって、今、現金化したら100万円なのに為替予約したら102万円なんだよ。
だったら、みんな為替予約すればいいじゃない?
そうすればみんな得するのに。

まずね、こういう疑問がわいてほしいの。
そういうの、ばんばん質問してほしい。まあ、講義では先に解説しちゃうけど。

答えから言えば、この@102円というレートは日米の金利差から自動的に計算できるわけで、銀行は得も損もしていないわけですよ。(もちろん銀行は交換手数料分儲かりますよ)
つまり、@100円→@102円になるのは、アメリカが日本にくれる利息なの。半年分の。
いい?これ、根本的なことよ。(なんかおねぇ口調になってる気がする)

つまり、今、現金化すれば100万円の売掛金が、半年後に決済すると102万円になるわけで、この差額の2万円は言ってみれば利息なの。だから期間按分もするし、P/L上は営業外収益に計上されるわけ。利息だから。

さて、予約日から決済日までの間に決算迎えたらどうするの?

ちょっと、3級レベルの取引に置き換えて考えてみましょう。
たとえば、100万円預金して半年後に2万円の利息がついて102万円で返ってくるとします。
で、預金した日の3ヶ月後に決算日を迎えるとします。
決算日には、どんな仕訳する?
当期に帰属する分を当期の収益(受取利息)にして、来期分を前受収益にするでしょ?
 前受収益10,000/受取利息10,000 って仕訳するでしょ?

まーったく同じだから。為替予約の振当処理も。仕訳にするとこうなるの。
 前受収益10,000/為替差損益10,000

なんのことはない、さっきの3級の仕訳の受取利息が為替差損益に変わっただけでしょ?
超簡単。

こういう背景にある考え方を知ると、ぐっと理解がすすむ。

でね、そこで終わらしてはいけない。
理屈は理屈で大事だけれど、それだけじゃダメ。
それとは別で、暗記も大切。体に覚え込ませる。

さっきの例で「はい、決算日の仕訳は?」と言われたら3秒以内に

 前受収益10,000/為替差損益10,000 が出てくるように練習するのが大事です。

勉強も大事だけど…

もちろん、勉強しなければ受からない。当然。

でも、勉強と同じくらい大切なのが、勉強方法だったり意識の持ち方だったり。

そんなこともちょっと考えてもらえたらと思います。

11月、受かりましょう。

日商簿記1級合格のための3つの意識改革” に対して1件のコメントがあります。

  1. 槍男 より:

    こういう記事を見ると改めてプロ簿記生はいいなと思いますね。

    チャットで問う→答える【考える】→確認する【理解度チェック】この循環はテキスト&参考書とお友達してる僕には羨ましいです。

    プロ簿記生に負けないよう基本固めからの意識改革に努めます!

  2. 独学者 より:

    独学の者ですが、奥にある目に見えないものって、市販のテキストにはあまり書いてないですよね。

    「奥にある」という程でもないレベルが低すぎる内容で恐縮ですが、最近の経験談です。
    総記法の決算時の処理で、商品勘定が貸方残高の場合
    「商品売買益=期末商品棚卸高+商品勘定の貸方残高」
    という式が手元のテキストに書いてあるわけですが、意味がよく分からなかったんです(ボックス図を見て、何となくは分かったつもりでしたが。)。

    それで、別のテキストを立ち読みしたところ、「仮に売上高を売上原価に置き換えると、商品勘定の借方・貸方残高は一致するはずなので、貸方の出っ張り=売上原価に付加された利益分になる。」というような説明(テキストが手元にないので不正確かもしれません。)を読んで、目からうろこが落ちました。

    と同時に、そんなことも説明せずに計算式を暗記しろというのかと、手元のテキストに腹が立ちました。
    工業簿記は、立ち読みしたところ先生執筆のネットスクールのテキストが分かりやすそうなのでそれにしようと思っていますが、商業簿記のテキストでいいものはないものでしょうか?(プロ簿記生になるしかないですか?(笑))

    1. pro-boki より:

      そうなんですよ。総記法は私も全く同じ考え方で押さえています。
      商品ボックス図を書くと、総記法の場合、右上の部分つまり売上原価のところが売上になっちゃうんですよね。よって、売上総利益の分だけズレる。これが分かっていれば暗記なんて必要ないですよね

      例えば、期首10,000、当期仕入15,000、当期売上50,000、期末5,000だとします。
      商品ボックスの貸借差額が(10,000+15,000)−(50,000+5,000)=△30,000円だけズレています。貸方が30,000円多いってことですよね。つまりこれが売上総利益ってことです。

      で、総記法なら、前TBの商品は、10,000+15,000-50,000=△25,000です。
      これを、期末の5,000に持っていくためには、30,000円足さなきゃいけない。つまり、仕訳にすると
      商品30,000/損益30,000ってことですね。よって、さきの売上総利益30,000と整合しているな、というのを確認すると理解が深まるわけです。

      ただ、ここで終わらせると、すぐに忘れちゃいます。
      「総記法の決算処理は、前TBの商品の価額を期末棚卸高になるように調整する。その調整差額が利益」という解法は暗記しちゃってもいいと思います。本試験中、いちいち上記のように導いて考えていたんじゃ時間もかかりますしミスもしますから。理解とともに、こういう暗記練習もやってみてください。

      >商業簿記のテキストでいいものはないものでしょうか?(プロ簿記生になるしかないですか?(笑))

      うーん、市販の1級テキストは、ちょっとおすすめできるものはあまり無いんですよね。

      もっとも詳しいのはTAC社の合格テキストで、これは、結構、根拠として会計基準を載せてくれているので、その点はいいです。しかし、テキストの表記そのものが、あまりに噛み砕かれていなくて読みにくいです。講義受講が前提になっている感じですね。

      その他のライトなテキスト(スッキリシリーズのようなA5判型)は、ほとんどは結論しか書かれていません。なぜそうなるかは、あまり書かれていないですね。パット見た感じ、噛み砕かれて読みやすそうですが、理屈が分からないので、暗記に走る原因になってしまうかもしれません。

      案外おすすめなのが、税理士の財務諸表論の理論テキストです。(計算テキストは買わなくてOK)
      1級の理論対策にはオーバースペックですが、会計理論の基礎的な部分を理解することができて地力がつきます。おすすめです。

      あとは、会計士向けのテキストは質・量ともに充実していますが、入手するのが難しいかもしれません。
      講座を受ければ当然手に入りますが、TACとかだと50万円以上はします。
      メルカリとかヤフオクでテキストのみ購入という方法もありますが、たぶん、これはTACの規約で違法だと思います。

  3. 独学者 より:

    ご返信ありがとうございます。
    実は、手元にあるのは「スッキリわかる」シリーズです・・・。

    丁寧なご説明ありがとうございました。
    立ち読みしたテキストでだいぶ分かったつもりでしたが、さらに理解が深まりました。

    税理士のテキストは、アマゾンで調べるとTACのものなどいろいろ出てきたので、本屋に行って見てみます!
    ありがとうございました。

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