工業簿記の本質基礎講座・第7回(総合原価計算1)

そもそも総合原価計算とは何か

日商簿記2級で学習する総合原価計算は、ボックス図を書いて、先入先出法のときはこう、平均法のときはこう、と計算パターンを覚えてしまえば試験対応ができる。加えて、仕損の処理と材料の追加投入の計算パターンまで押さえれば完璧だ。

しかし「総合原価計算はそういうもんだ」という理解で1級に進んだ人は大抵つまずくことになる。計算パターンが膨大になって、いくら覚えてもキリがない。計算はそこそこ出来るけど、実は自分が何の計算をしているのかが分からない。モヤモヤ感が止まらない。ここでは、そんな、こじらせちゃった人向けに2級レベルに戻って、そもそも製品原価計算って何?というところから話を始めたい。

総合原価計算と個別原価計算

日商簿記2級では、総合原価計算と個別原価計算を、まるで異なる計算方法のように学習する。総合原価計算はボックス図による按分計算が中心、個別原価計算は材料費や労務費を中心とした費目別計算や、勘定連絡、仕訳を問題とすることが多い。こうした部分的な問題パターンに慣れてしまうと、工業簿記という全体の流れの中で、自分がいったい何の計算をしているのか分からなくなる。

本来、総合原価計算も個別原価計算も、結局は「製品1個あたりいくらで作れたか?」を知るための計算という点では同じだ。どちらにしても原価要素別(原料とか労務費とか経費など)の勘定から、仕掛品勘定、製品勘定を経て、最終的に製品1個あたりの原価を計算する。別に費目別計算は個別原価計算のためにあるわけではない。

ただ、日商簿記2級では試験問題になりやすい箇所が決まっている。総合原価計算は、仕掛品勘定での原価配分が問題になりやすく、個別原価計算では仕掛品勘定に行くまでのプロセス(費目別計算だったり製造間接費会計だったり部門別計算だったり)が問題になりやすい。

つまり、全体を見ればどちらも同じような計算をしているのだけれど、試験問題になる箇所が違うばかりに、まるで違う計算をやっているように感じるだけなのだ。だから、まずは、工業簿記の全体像を把握することが大切だ。

総合原価計算の全体像をつかもう

工業簿記の全体像が把握できる設例を用意した。工程別総合原価計算の問題だ。すべて2級の範囲内の論点だけで作問した。1級を目指している人なら即座に出来なければおかしい・・・はずだけど、多くの人は出来ないだろう。それは、先にも書いたとおり、総合原価計算といっても、多くの人は、部分的な(特に仕掛品勘定)計算方法を知っているだけで全体像を理解していないからだ。

この設例は、総合原価計算だけにとどまらず、工業簿記の全体像を理解するのに絶好の問題だ。分量が多く、時間が掛かるかもしれない。しかし、必ず力になるから、是非チャレンジしてもらいたい。

今まで、あなたが経験した2級の工業簿記の問題の中でもっとも役に立つと感じるはずだ。

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設例

当社は、工程別総合原価計算を採用している。下記の資料にもとづいて、答案用紙の各勘定の記入を完成させなさい。なお製造部門費の配賦差異は当月の売上原価に賦課する。

計算条件

  1. 材料はすべて第1工程の始点で投入され、加工費は加工進捗度に比例して消費される。
  2. 第1工程完了品は、全量がただちに第2工程に投入され、加工されて製品になる。
  3. 正常仕損の処理は度外視法によっている。
  4. 材料払出高の計算と第1工程の原価配分は先入先出法によっており、製品払出高の計算と第2工程の原価配分は平均法によっている。
  5. 月初勘定残高(一部)は、次のとおりである。
材料 485,500円  
未払賃金給料 976,000円  
前払経費 580,000円  
第1工程仕掛品 290,000円 (材料 231,000円、加工費 59,000円)
第2工程仕掛品 2,641,760円 (前工程費 2,076,000円、加工費 565,760円)
製品 3,348,000円 (800個)

当月取引

  1. 当月中に材料10,000kgを410円/kgで掛けにより購入した。月末有高は750kgであった。棚卸減耗損はなかった。
  2. 当月中の賃金給料の支払額は6,516,000円であった。月末における未払賃金給料は960,000円であった。賃金給料はすべて加工費であり、その消費高のうち50%は第1工程、30%は第2工程、10%は電力部門、10%は修繕部門の消費高であった。
  3. 当月中の経費支払額は2,480,000円であった。月末の前払経費は560,000円であった。当該経費はすべて加工費であり、その消費額のうち32%は第1工程、40%は第2工程、20%は電力部門、8%は修繕部門の消費高であった。
  4. 当月発生の減価償却費1,500,000円の内訳は、第1工程が400,000円、第2工程が600,000円、電力部門が300,000円、修繕部門が200,000円であった。

部門別データ

当社には製造部門として第1製造部門と第2製造部門、補助部門として電力部門と修繕部門を設置しており部門別計算を行っている。なお、第1製造部門は第1工程を、第2製造部門は第2工程を担当している。

補助部門費は直接配賦法によって実際配賦しており、その配賦割合は以下のとおりである。
電力消費量:第1製造部門40%、第2製造部門60%
修繕作業時間:第1製造部門60%、第2製造部門40%

第1製造部門費と第2製造部門費は、直接作業時間にもとづいて予定配賦を行っている。各製造部門の年間予算と年間予定操業度は次のとおりである。
年間予算額:第1製造部門72,000,000円、第2製造部門57,600,000円
年間予定操業度:第1製造部門48,000時間、第2製造部門48,000時間
当月の実際直接作業時間:第1製造部門3,720時間、第2製造部門3,888時間

当月生産データ

  1. 当月の生産データは以下に示したとおりである。( )内は加工費の進捗度である。
  2. 正常仕損は第1工程では工程の途中点で発生する。なお仕損品評価額はない。
  3. 第2工程では工程の終点で副産物が発生する。副産物の見積売却価額は1個あたり2,500円、見積販売費は1個あたり520円である。
  第1工程 第2工程
月初仕掛品 200 (20%) 800 (50%)
当月投入 3,760   3,600  
合計 3,960   4,400  
正常仕損品 40      
副産物     80  
月末仕掛品 320 (50%) 560 (80%)
完成品 3,600   3,760  

当月販売データ

  1. 製品4,000個を@6,000円で販売した。
  2. 副産物はその全量を見積売却価額で販売した。販売費も予定どおりであった。

答案用紙

答案用紙(クリックで開きます)

 

材料
前月繰越 (    ) 仕掛品 (    )
買掛金 (    ) 次月繰越 (    )

 

賃金給料
諸口 (    ) 前月繰越 (    )
次月繰越 (    ) 第1製造部門費 (    )
    第2製造部門費 (    )
    電力部門費 (    )
    修繕部門費 (    )

 

経費
前月繰越 (    ) 第1製造部門費 (    )
諸口 (    ) 第2製造部門費 (    )
減価償却累計額 (    )  電力部門費 (    )
    修繕部門費 (    )
    次月繰越 (    )

 

第1製造部門費
賃金給料 (    ) 第1工程仕掛品 (    )
経費 (    ) 配賦差異 (    )
電力部門費 (    )    
修繕部門費 (    )    

 

第2製造部門費
賃金給料 (    ) 第2工程仕掛品 (    )
経費 (    ) 配賦差異 (    )
電力部門費 (    )    
修繕部門費 (    )    

 

電力部門費
賃金給料 (    ) 第1製造部門費 (    )
経費 (    ) 第2製造部門費 (    )

 

修繕部門費
賃金給料 (    ) 第1製造部門費 (    )
経費 (    ) 第2製造部門費 (    )

 

第1工程仕掛品
前月繰越 (    ) 第1工程完了品 (    )
材料 (    ) 次月繰越 (    )
第1製造部門費  (    )    

 

第2工程仕掛品
前月繰越 (    ) 製品 (    )
第1工程完了品 (    ) 副産物 (    )
第2製造部門費  (    ) 次月繰越 (    )

 

副産物
第2工程仕掛品 (    ) 売上原価 (    )

 

製品
前月繰越 (    ) 売上原価 (    )
仕掛品 (    ) 次月繰越 (    )

 

売上原価
製品 (    ) 損益 (    )
副産物 (    )    
第1製造部門費 (    )    
第2製造部門費 (    )    

 

損益
売上原価 (    ) 売上 (    )
販売費 (    )    

解答

解答(クリックで開きます)
材料
前月繰越 485,500 仕掛品 4,278,000
買掛金 4,100,000 次月繰越 307,500

 

賃金給料
諸口 6,516,000 前月繰越 976,000
次月繰越 960,000 第1製造部門費 3,250,000
    第2製造部門費 1,950,000
    電力部門費 650,000
    修繕部門費 650,000

 

経費
前月繰越 580,000 第1製造部門費 1,200,000
諸口 2,480,000 第2製造部門費 1,600,000
減価償却累計額 1,500,000 電力部門費 800,000
    修繕部門費 400,000
    次月繰越 560,000

 

第1製造部門費
賃金給料 3,250,000 第1工程仕掛品 5,580,000
経費 1,200,000 配賦差異 80,000
電力部門費 580,000    
修繕部門費 630,000    

 

第2製造部門費
賃金給料 1,950,000 第2工程仕掛品 4,665,600
経費 1,600,000 配賦差異 174,400
電力部門費 870,000    
修繕部門費 420,000    

 

電力部門費
賃金給料 650,000 第1製造部門費 580,000
経費 800,000 第2製造部門費 870,000

 

修繕部門費
賃金給料 650,000 第1製造部門費 630,000
経費 400,000 第2製造部門費 420,000

 

第1工程仕掛品
前月繰越 290,000 第1工程完了品 9,540,000
材料 4,278,000 次月繰越 608,000
第1製造部門費  5,580,000    

 

第2工程仕掛品
前月繰越 2,641,760 製品 14,664,000
第1工程完了品 9,540,000 副産物 158,400
第2製造部門費  4,665,600 次月繰越 2,024,960

 

副産物
第2工程仕掛品 158,400 売上原価 158,400

 

製品
前月繰越 3,348,000 売上原価 15,800,000
仕掛品 14,664,000 次月繰越 2,212,000

 

売上原価
製品 15,800,000 損益 16,212,800
副産物 158,400    
第1製造部門費 80,000    
第2製造部門費 174,400    

 

損益
売上原価 16,212,800 売上 24,200,000
販売費 41,600    

解説

解説(クリックで開きます)

費目別計算

材料
月初有高 計算条件5より
485,500円
当月消費額 貸借差額より
4,278,000円
当月購入 当月取引1より
@410円×10,000kg
=4,100,000円
月末有高   当月取引1より
@410円*1×750kg
=307,500円

*1. 先入先出法を採用しているため、月末有高の単価は当月購入の単価と同一。

賃金給料
諸口 当月取引2より
6,516,000円
前月繰越 計算条件5より
976,000円
次月繰越 当月取引2より
960,000円
第1製造部門費 3,250,000*1
    第2製造部門費 1,950,000*2
    電力部門費 650,000*3
    修繕部門費 650,000*4

当月消費額:6,516,000円+960,000円−976,000円=6,500,000円
*1. 6,500,000円×50%=3,250,000円
*2. 6,500,000円×30%=1,950,000円
*3. 6,500,000円×10%=650,000円
*4. 6,500,000円×10%=650,000円

経費
前月繰越 計算条件5より
580,000円
第1製造部門費 1,200,000円*1
諸口 当月取引3より
2,480,000円
第2製造部門費 1,600,000円*2
減価償却累計額 当月取引4より
1,500,000円
電力部門費 800,000円*3
    修繕部門費 400,000円*4
    次月繰越 当月取引4より
560,000円

経費消費額:2,480,000円+580,000円−560,000円=2,500,000円
*1. 2,500,000円×32%+400,000円=1,200,000円
*2. 2,500,000円×40%+600,000円=1,600,000円
*3. 2,500,000円×20%+300,000円=800,000円
*4. 2,500,000円×8%+200,000円=400,000円

部門別計算

第1製造部門費
賃金給料 賃金給料勘定より
3,250,000円
第1工程仕掛品 5,580,000円*1
経費 経費勘定より
1,200,000円
配賦差異 80,000円*2
電力部門費 電力部門費勘定より
580,000円
   
修繕部門費 修繕部門費勘定より
630,000円
   

資料の部門別データより標準配賦率:72,000,000円÷48,000時間=@1,500円
*1. @1,500円×実際直接作業時間3,720時間=5,580,000円
*2. 貸借差額より

第2製造部門費
賃金給料 賃金給料勘定より
1,950,000円
第2工程仕掛品 4,665,600円*1
経費 経費勘定より
1,600,000円
配賦差異 174,400円*2
電力部門費 電力部門費勘定より
870,000円
   
修繕部門費 修繕部門費勘定より
420,000円
   

資料の部門別データより標準配賦率:57,600,000円÷48,000時間=@1,200円
*1. @1,200円×実際直接作業時間3,888時間=4,665,600円
*2. 貸借差額より

電力部門費
賃金給料 賃金給料勘定より
650,000円
第1製造部門費 580,000円*1
経費 経費勘定より
800,000円
第2製造部門費 870,000円*2

資料の部門別データより
*1.(650,000円+800,000円)×40%=580,000円
*2.(650,000円+800,000円)×60%=870,000円

修繕部門費
賃金給料 賃金給料勘定より
650,000円
第1製造部門費 630,000円*1
経費 経費勘定より
400,000円
第2製造部門費 420,000円*2

資料の部門別データより
*1.(650,000円+400,000円)×60%=630,000円
*2.(650,000円+400,000円)×40%=420,000円

製品別計算(第1工程)

第1工程仕掛品 生産データ
前月繰越 200個
(40個)
第1工程完了品 3,600個
当月投入 3,720個
(3,720個)
次月繰越 320個
(160個)
  • 上記生産データのうち、(  )内は完成品換算量。
  • 仕損は途中点発生であり、かつ度外視法を採用しているため、生産データ上、無視して(度外視して)いる。
第1工程仕掛品
前月繰越 計算条件5より
290,000円
第1工程完了品 貸借差額より
9,540,000円
材料 材料勘定より
4,278,000円
次月繰越 608,000
第1製造部門費  第1製造部門費勘定より
5,580,000
   
  • 先入先出法を採用しているため、当月投入額の単価が次月繰越の単価となる。
    次月繰越(材料費):4,278,000円÷3,720個×320個=368,000円
    次月繰越(第1製造部門費):5,580,000円÷3,720個×160個=240,000円
    次月繰越:368,000円+240,000円=608,000円

製品別計算(第2工程)

第2工程仕掛品 生産データ
前月繰越 800個
(400個)
製品
副産物
3,760個
当月投入 3,600個
(3,888個)
80個
次月繰越 560個
(448個)
  • 上記生産データのうち、(  )内は完成品換算量。
第2工程仕掛品
前月繰越 計算条件5より
2,641,760円
製品 貸借差額より
14,664,000円
第1工程完了品 第1工程仕掛品勘定より
9,540,000円
副産物 158,400円
第2製造部門費  第2製造部門費勘定より
4,665,600円
次月繰越 2,024,960円
  • 平均法を採用しているため、当月投入額と前月繰越の合計額の平均単価が次月繰越の単価となる。
    次月繰越(前工程費):(2,076,000円+9,540,000円)÷4,400個×560個=1,478,400円
    次月繰越(第2製造部門費):(565,760円+4,665,600円)÷4,288個×448個=546,560円
    次月繰越:1,478,400円+546,560円=2,024,960円
    副産物:(2,500円−520円)×80個=158,400円
副産物
第2工程仕掛品 158,400 売上原価 158,400

製品勘定

製品
前月繰越 計算条件5より
(800個)
3,348,000円
売上原価 貸借差額より
(4,000個)
15,800,000
仕掛品 第2工程仕掛品勘定より
(3,760個)
14,664,000円
次月繰越 (560個)
2,212,000円
  • 平均法を採用していることに注意。
    次月繰越:(3,348,000円+14,664,000円)÷(800個+3,760個)×560個=2,212,000円

売上原価勘定と損益勘定

売上原価
製品 製品勘定より
15,800,000円
損益 貸借差額より
16,212,800円
副産物 副産物勘定より
158,400円
   
第1製造部門費 第1製造部門費の配賦差異
80,000円
   
第2製造部門費 第2製造部門費の配賦差異
174,400円
   

 

損益
売上原価 売上原価勘定より
16,212,800円
売上 24,200,000円
販売費 41,600円    

販売費:副産物販売費@520円×80個=41,600円
売上高:製品@6,000円×4,000個+副産物@2,500円×80個=24,200,000円


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工業簿記の本質基礎講座・第7回(総合原価計算1)” に対して1件のコメントがあります。

  1. ファイティン より:

    先生、PDFファイルとても便利です。
    ありがとうございます。
    目標タイムは、何分でしょうか?

    1. pro-boki より:

      ファイティンさんへ

      どこも引っかからずにスムーズにいけば、30分以内で解けると思います。引っかかると45分くらい掛かるかもしれません。そのあたりを目安に解いてみて下さい。ちなみに自分で校正するために解いてみたところ12分でしたが、当然、これは参考にはなりません。

  2. ファイティン より:

    第1工程仕掛品までスムーズにいきましたが、第2工程の副産物を見事に間違えました。。
    2,500-520円(見積販売費)を引き忘れていました。
    最後の売上に副産物の売却額も加算忘れしました。
    (PDFの第1工程月初仕掛品進捗度(40%)になっています。割り切れずあせりました・・)

    他の問題でも仕損品の評価額があるケースなどでミス多いんです。。
    第1工程から解きなおします。

    1. pro-boki より:

      ファイティンさんへ

      >PDFの第1工程月初仕掛品進捗度(40%)になっています。割り切れずあせりました・・
      20%でしたね。ごめんなさい。修正しました。ご指摘ありがとうございます。

      >第1工程仕掛品までスムーズにいきましたが、第2工程の副産物を見事に間違えました。。
      間違いは、この箇所と売上だけですか?だとしたら、工業簿記の全体の流れはバッチリですね。
      これに加えて、仕損・減損の処理をおさえれば、総合原価計算の基本は大丈夫ですね。(仕損減損の問題は今日アップする予定です)

      あとは、本番でいかにケアレスミスしないかですよね。これがねぇ・・・私も受験生のときはだいぶ苦労しました。

  3. めぐり より:

    はじめまして。

    上記の問題で教えて頂きたいことがあります。
    副産物の処理(200,000-41,600)ですが、
    第2工程→売上原価→損益という流れですよね。
    でも、損益勘定でまた販売費(41,600)として計上されているのは
    なぜですか?
    副産物は売上原価に含まれているのではないでしょうか?
    教えて下さい。
    説明不足でしたら申し訳ございません、ご指摘お願いいたします。

    1. pro-boki より:

      返信が遅くなり申し訳ありません。

      さて、ご質問についてですが、これはかなり回答しずらいです。というのも、多分、根本的に副産物における会計処理を誤解されていると思われるからです。ちょっと、どこから説明してよいのか分からないのですが、正統的な流れで説明したいと思います。

      まず副産物の会計処理について見ていきましょう。原価計算基準に次のように規定されています。

      「総合原価計算において、副産物が生ずる場合には、その価額を算定して、これを主産物の総合原価から控除する」
      で、その価額はどうやって算定するか?ですが、次のように規定されています。
      「副産物で、そのまま外部に売却できるものは、見積売却価額から販売費および一般管理費又は販売費、一般管理費および通常の利益の見積額を控除した額」

      つまり、副産物自体の製造原価は測定しません。単にその評価額(つまりもし販売できたとしたらどれくらい収益がありそうか?その額)を(本問の場合)完成品原価から控除するのみなのです。

      これ、どういうことかと言えば、完成品原価は、知らぬうちに(正確に書くなら度外視法で)副産物の原価分までを負担しており、その代わりとして、副産物の評価額を引いてもらえるということです。

      一方で、副産物は製造原価を測定しません(その分はすでに完成品に負担させちゃっているので、副産物としては計算する必要がないのです)。ただし、物理的に”副産物”というモノが存在しますから、これを棚卸資産としてその評価額で計上するのです。

      200,000−41,600=158,400 という式は、この評価額を算定しているにすぎません。つまり、将来的に売れば200,000の収益がありそう(見積り)だけど、この収益を得るためには41,600の販売費が掛かりそう(これも見積り)なので、158,400の価値がありそうだ、という算定をしているにすぎません。これを棚卸資産としてB/Sに計上するわけです。

      そして、実際に副産物が売れた時に売上原価に振り替える一方、売上収益を立てるわけです。このとき、一見すると売上収益は200,000で、売上原価が158,400なので、売却益が得られますが、同時に販売費が41,600計上されるので、結局、損得なしです。

      ここまでの仕組みを理解出来ているかどうかがポイントです。とはいっても難しいですよね。ここはいつも解説に困ります。(2級ではここ軽く流しちゃいますからね)

      何が見積額で、何が実際額なのか、また勘定連絡はどうなっているのか、といったあたりを意識しながら試行錯誤するしかないかもしれません。うまく説明できずにすみません。

  4. めぐり より:

    先生へ

    お忙しい中、ご返信ありがとうございました。
    とても細かく説明していただき助かりました。
    (副産物のイメージが少しできました!)
    正直、副産物・仕損・減損が苦手です。
    先生の説明で、私根本的なところわかってないんだなと
    改めて気づきました・・・。
    基礎から見直します・・・。

    ありがとうございました。

  5. 簿記太郎 より:

    〔当月取引〕
    3.当月中の経費支払額は2,480,000円であった。月末の前払経費は560,000円であった。経費はすべて加工費であり、その消費額のうち32%は第1工程、40%は第2工程、20%は電力部門、8%は修繕部門の消費高であった。

    上記についてですが、これは「支払経費」に限定した話であり、減価償却費は対象外ですよね?

    であれば、
    『支払』経費はすべて加工費であり、その消費額のうち32%は第1工程、40%は第2工程、20%は電力部門、8%は修繕部門の消費高であった。

    とした方が良いのではないでしょうか?

    もし資料の見落とし等があったら申し訳ありません。

    1. pro-boki より:

      なるほど、ご指摘ありがとうございます。
      ただ、「支払経費」としてしまうと、それはそれで齟齬が生じちゃいますね。
      そこで、「当該」を付加することにしました。

  6. Kagami より:

    直前チェックに解きました。分からないのは、第1工程仕掛品の原価配分のところです。
    解説には「仕損は途中点発生であり、かつ度外視法を採用しているため、生産データ上、無視して(度外視して)いる。」とありますが、仕損の発生点(月末仕掛品の進捗度50%より前から後か)によって、両者負担だとか、仕損の換算量だとか、変わってきませんか?
    度外視法だと、仕損の発生の途中点にかかわらず、月末仕掛品や完成品の金額は変わらないという事でしょうか??

    1. pro-boki より:

      度外視法には複数の計算方法があります。

      1 仕損を度外視して計算
      原価計算基準が想定していると考えられる計算方法です。
      生産データにおいて、仕損の存在を考慮せずに計算します。
      この計算方法によれば、仕損発生点や月末仕掛品の加工進捗度に関わらず自動的に「完成品と月末仕掛品の両者負担」になります。

      2 仕損の発生点が終点かそれ以外かを把握して計算
      仕損が終点で発生している場合のみ「完成品のみ負担」とし、それ以外は、一律「両者負担」にするという方法です。
      これは仕損が終点発生であれば、月末仕掛品に負担義務が無いことが明らかなため完成品のみ負担とし、工程の途中で発生している場合は、負担関係が不明瞭なので両者負担にするという考え方です。

      3 仕損の発生点と月末仕掛品の加工進捗度を比較して計算
      仕損の発生点と月末仕掛品の加工進捗度を比較し、月末仕掛品に負担させるべきか否かを判断する方法です。「仕損発生点>月末仕掛品の加工進捗度」のときのみ、完成品負担とし、それ以外は両者負担とします。

      一部、2級の市販テキストなどでは、度外視法の計算方法として3についてしか記載がないものもありますが、それが全てではありません。1から3はすべて認められた方法です。(試験には出ないので省略しますが他にもあります)

      度外視法の問題を解く際は、どの計算方法を採用すべきか問題文から判断する必要があります。原価計算基準によれば、「1 仕損を度外視して計算」が原則的な処理です。問題文に特に指定がなければ、この計算方法によります。また仕損発生点が不明な場合も1でしか計算できませんのでそれを採用します。

    2. Kagami より:

      ご説明ありがとうございます。
      度外視法には複数の計算方法があることは知りませんでした。
      また、一般的に、度外視の場合は、仕損発生点や月末仕掛品の加工進捗度に関わらず自動的に「完成品と月末仕掛品の両者負担」になる、という事も知りませんでした。

      予備校〇原ではワークシートによる解法で解くように言われており、テキストは3の記載になっているように思います。よって、終点発生の場合、「正常減損費を完成品のみに負担させる場合の度外視法ワークシートは、以下である」と記載されていますが、実は他の方法(両者負担)もありうるからこういう言い方になっているのですね。

      >また仕損発生点が不明な場合も1でしか計算できませんのでそれを採用します。

      確かに、〇原テキストに、「発生点が不明の場合は、度外視法により正常減損費を完と末の両者に負担させる。すなわち始点発生と同様の計算となる」と書いてありました。
      今回の問題文を読んだとき、「これは不明点のケースだから始点発生と同様に解けばいい」と考えが行き着いていれば、悩む必要はなかったです。大変失礼いたしました。

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