簿記の小噺・総合原価計算と個別原価計算 〜ダイエット中のNさん〜

総合原価計算と個別原価計算の小噺

今回は、簿記2級の工業簿記で学習する総合原価計算と個別原価計算、そもそもこれって何が違うの?ということをテーマにした小噺だ。どちらも計算方法は知っているけど、本質的な意味はよく分からない。そんな人に読んで欲しい。

ダイエット中のNさん

この前の飲み会で幹事やったでしょ。そのときNさんからクレーム言われちゃたよ。
ん、どんな?
Nさんいわく「割り勘は不公平。ダイエット中だから、あまり食べないし」とのこと。
ん〜なんだろ。微妙だね。ま、ダイエットはNさんの勝手だからなぁ。
ま、確かにね。俺も一瞬どうなのって思ったよ。でもさNさんの言い分も分かるんだよね。Nさん、ほとんど食べていないの事実だし。逆に食べまくってる人もいるし。割り勘は不公平かも。
でもねぇ、公平に計算するとしたら大変だよ。誰が何をどれだけ食べたか記録しないと。
だよね。現実にはできないよね。
なんかさ、総合原価計算と個別原価計算みたいだね。
ん?どういうこと?
総合原価計算って「どの製品もみんな同じだけ原価使っているはず」っていう前提でコストを按分するじゃない?
なるほど、割り勘に似ているね。誰がどれだけ食べたかに関係なく掛かった費用を均等に割るもんね。
個別原価計算って「どの製品にどれだけコストが掛かったかを記録しておいて集計する」って感じじゃない。
なるほど。Nさんの主張は、個別原価計算をしてくれって話か。それなら不公平にならない
そういうことだね。でも、個別原価計算って面倒。やっぱり、飲み会は総合原価計算の方がいいんじゃない。計算も大変だけど、そもそも飲み会でそんなことしてたら興ざめだしね。

個別原価計算と総合原価計算

日商簿記2級の工業簿記を勉強している人の多くが「個別原価計算と総合原価計算の計算方法は分かるんだけど、これ、現実に、どのように使われているだろう」ということをイメージできてないんじゃないだろうか。

きっと、何かルールがあって、こういう場合は個別原価計算、こういう場合は総合原価計算を使わなければならない、という風に決まっているのだろう、と思ってないだろうか。

違うからね。

別にどちらを使おうが企業の自由。好きな方を使えばいい。既存のテキストはこの点を説明していないんだよね。

個別原価計算は、個々の製品に直接的に掛かった費用を一つ一つ集計するから、計算作業が大変。だけど正確。総合原価計算は、掛かった費用をまとめて計算するから計算作業は楽。だけど、すべての製品は「同じだけ原価がかかっているはず」という仮定にもとづいているから、必ずしも正確ではない。

根本的な違いはこれだけで、両者にメリットもデメリットもある。で、それらを考慮した上で、企業が好きな方を選べばいいわけだ。

だけど、現実には、例えばビール工場みたいにどの製品も同じだけ原価がかかっていると想定されてかつ大量に作っているなら、総合原価計算が向いている。

オーダーメイドの手作り家具のように、どう見ても1つ1つの製品にかかっているコストが違うだろう、って場合は個別原価計算が向いている。結局そういうことだ からね。


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