1級商会・退職給付会計・過去問実戦講義

退職給付会計を得意にするメリット

日商簿記1級の商業簿記・会計学における退職給付会計の論点出題率は70%を超えています。

この論点の出題形態はパターン化されており、かつ難易度も安定しています。そして、必ず配点が来る(埋没論点となることが少ない)という特徴もあります。ここを得意にしないでどうするの?という感じです。

本試験当日。
「では、はじめてください」これを合図に問題を解き始めるわけですが、まあ、誰もが緊張するわけですよ。あれだけ自信のあった私でさえも、試験開始の直後は、手が震えていたのをよく覚えています。

そんなとき、これは必ず取れるという得意論点を持っていると、とても有利です。私にとっては、それが退職給付会計の論点でした。短時間で解けますし、正解できる自信があります。3分くらいでしょうか。無心で解きます。解き終わったころには緊張もほどよく解けて落ち着きを取り戻しています。

得意論点にはそんな精神安定剤的な効用もあるわけです。1級受験生には、是非そんな論点を作ってほしいと思います。

退職給付会計・過去問実戦講義

プロ簿記1級合格プログラムの今週のライブ講義は、退職給付会計の過去問実戦講義です。過去問から6つの設例をピックアップし、全ての設例について、T勘定による解法とワークシートによる解法を解説する予定です。

これらをマスターすれば、本試験対策としては十分でしょう。

なお、T勘定による解法は理解の促進には役立ちますが、下書きの量が多く煩雑で多少面倒です。本試験対策としては、是非、ワークシートによる解法をマスターして頂きたいと思います。短時間でミスなく確実に解けるようになります。

ワークシートによる解法は以下を参照してください。

1級商会・退職給付会計はワークシートをおすすめ

また、スライド後半では、連結財務諸表上における退職給付会計の論点にも触れています。個別財務諸表上における退職給付会計との相違点、未認識差異項目の扱い、その他の包括利益での表記などの解説が中心です。

この点について、144回では簡易な問題が出題されましたが、今後はさらに難易度を上げた出題がなされると思われます。こちらもしっかり押さえておきましょう。


 


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1級商会・退職給付会計・過去問実戦講義” に対して1件のコメントがあります。

  1. フジフジ より:

    はじめまして。
    大変参考になるHP有難うございます。
    大変解り易く、感謝致します。

    早速なのですが、1つ質問がありメールを致しました。

    HPの中で
    1級商会・退職給付会計・過去問実戦講義
    https://pro-boki.com/taisyoku03
    の中の、スライドP.1~P.31までありますが、
    P.31の実際前末の差異が、-36,000になっていますが、
    何故マイナスになるのかが解りませんでした。

    P.1から順番に解いてみたのですが、この問だけ
    実際前末の差異がマイナスになるのですが、
    他の問題とどう相違があるのかが解りませんでした。

    もし、宜しければ教えて頂けないでしょうか?

    お忙しいとは存じますが宜しくお願い致します。

    1. pro-boki より:

      未認識過去勤務費用は、「給付水準の引き下げによるもの」とあります。
      これは有利差異を意味していますか?それとも不利差異ですか?

      このあたりを具体的に考えてみてください。以下のような感じです。
      今まで、月額50万円平均だとして、これにもとづいて◯◯ヶ月分の退職金を引き当てていたわけです。これに対して、給与水準を引き下げるということは、月額40万円平均にするというようなイメージです。この場合、引当金はどうなりますか?この差額が未認識過去勤務費用です。

  2. フジフジ より:

    お忙しい中、ご返答有難うございます。

    スライドP.13での問題では、未認識数理計算上の差異24,000千円(20×2年度末における割引率の引下げによって生じたものであり・・・・)
    では、実際前末の差異がプラス表記になっているのですが、

    スライドP.31では、未認識過去勤務費用は、「給付水準の引き下げによるもの」で、
    実際前末の差異がマイナス表記になっているのですが、

    同じ引下げでも、未認識数理計算上の差異と、未認識過去勤務費用の引下げ
    でも意味合いが違うという事なんでしょうか・・・・・。

    もっと深く考えないとダメなんでしょうね。
    考えてみます。

    有難うございます。

    1. pro-boki より:

      シンプルな例で考えてみましょう。
      今から3年後に退職予定で、そのとき月給(50万円)の2倍の退職金が出るとします。割引率は10%とします。さて、1年働きました。このときの退職給付債務はいくらですか?
      100万円÷1.1÷1.1÷1.1=751,315ですよね。

      さて、規定が変更になって、月給が50万円から40万円に引き下げになりました。このとき、退職給付債務はいくらになりますか?
      80万円÷1.1÷1.1÷1.1=601,052ですよね。

      つまり、企業にとって債務が751,315から601,052に減っているわけです。この差異、150,263が過去勤務費用です。有利差異です。債務が減っているので。

      では、月給は50万円のまま、割引率が10%から5%に引き下げになったら、退職給付債務はいくらになりますか?
      100万円÷1.05÷1.05÷1.05=863,838ですよね。

      つまり、企業にとって債務が751,315から863,838に増えているわけです。この差異、112,523が過去勤務費用です。不利差異です。債務が増えているので。

      前者が、P.31のケース、後者が、P.13のケースです。
      「何かが引き下げられている=差異をプラス表記する」ではないのです。なぜそうなるのかは分からないけど、そういうもんだとして覚えちゃえ、という学習方法も、まあ有りと言えばありなのですが、もう一歩進めて腹落ちするところまで学習を進めると、格段に伸びますよ。

  3. フジフジ より:

    度々のご質問に対し、ご返答申し訳ありません。

    大変解りやすい説明です。

    未認識過去勤務差異や未認識数理計算差異や過去勤務費用
    などが、ごちゃ混ぜになって、よく解っていないみたいです。

    今回のコメントを参考に、もう一度解いてみます。
    ご説明の件は、大変解りやすかったです。

    他のホームページとは、全然違います。
    恐れ入りました。

    有難うございました。

  4. しろたん より:

    毎日楽しく分かりやすく勉強させていただけただき、本当にありがとうございます!!
    退職給付会計の問題はワークシートで解いていますが、スライド15ページにおいて、
    私は問題文より、年金資産と退職給付債務がともに減少するパターンと読解し、
    「債務/一時金」のクロスする欄に『+26,000』
    「年金/一時金」の欄に『-26,000』
    を記入したため、当期末の退職引当金の金額が合いませんでした。
    今回「年金/一時金」の欄に『+26,000』にする点が納得できず、教えて頂けたら幸いです。

    1. pro-boki より:

      しろたんさんの会計処理、つまり年金資産を26,000減らして、債務も減らす(+26,000とする)という会計処理は、「年金基金から退職者への支払い」を意味します。

      P13の問題文には「年金拠出額と退職一時金は退職給付勘定で処理しており」と書かれています。
      この「年金拠出額・退職一時金の支払い」を「年金基金から退職者への支払い」と勘違いされたのではありませんか?(違ってたらごめんなさい)

      本会計処理(年金拠出額と退職一時金を退職給付勘定で処理)は間違えた処理であり、正しくは、退職給付引当金の減額処理を行わなければなりません。
      これは、ワークシート上では、「年金拠出額」は「年金資産の+」、「退職一時金の支払い」は「退職給付債務の+」を行ないます。
      本問はその内訳が分からないため、まとめて年金資産に拠出したものとみなして処理しています。(退職給付費用、退職給付引当金の額に影響がないため)

      分かりにくければ、ご遠慮無く追加質問してください。

  5. しろたん より:

    お忙しい中、早々にありがとうございます。
    読解力がなく申し訳ありません。
    ご指摘の通りの勘違いをしておりました。

    いつもワークシートで済ませて、一切仕訳切らずに解答してしまっており‥逆に仕訳で考えると勉強不足で解けなくなります(>__<)

  6. しろたん より:

    上のコメントが切れており、中途半端になっておりました。
    恐縮ですが、追加の質問を続きを下記に失礼いたします。

    今回の流れを仕訳で示すと
    ①問題設定においてきられた誤った仕訳
    【退職給付26千/現金26千】
    ※ただの〝退職給付〟という勘定はあるのでしょうか?
    ②あるべき仕訳
    【退職給付引当金(資産or債務)26千/現金26千】
    ③修正仕訳
    【退職給付引当金(資産or債務)26千/退職給付26千】

    よって、ワークシートは解説のようになるということでしょうか?

    11月に2級受かったばかりで、初の1級チャレンジで、トンチンカンな質問お許しください!

    1. pro-boki より:

      >※ただの〝退職給付〟という勘定はあるのでしょうか?

      これは、”退職給付費用”のことですね。単に”退職給付”という言い方をすることもあります。

      ②、③ともにそのとおりです。
      11月に2級合格で、現時点でこの問題が解けるレベルというのはかなり優秀だと思います。独学ですか?

  7. しろたん より:

    お忙しい中、何度もありがとうございました。スッキリ納得できました!
    講義も解説もわかりやすく、本当に助かります。

    独学ですが、先生のHP・テキストのおかげで少しずつ理解が深まり、過去問も解ける問題が増えています。
    残る3ヶ月、気を抜かずに頑張ろうと思います。

    この度はありがとうございました!!!
    また質問を投稿してしまうかもしれませんが、
    どうか宜しくお願いいたします。

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