ミニテスト・標準原価計算(差異の会計処理)

標準原価計算の確認テスト(差異の会計処理)

標準原価計算の差異の会計処理についての作問リクエストを頂いた。
標準原価計算は次回2016年11月本試験の大本命だ。基本的にはとても大事な論点だ。ただし、標準原価計算の差異の会計処理は、近年全く出題されていない。111回が最後だ。つまり10年以上出題されていない。当然、過去問題集にも収載されていない。もしかすると日商はもう出す気ないんじゃないかなぁなんて個人的には思っていた。だからあまり作問は気が進まないなぁと。

しかし、近年、試験委員が変わり、これまでの傾向とだいぶ異なる趣旨の問題を出すようになってきた。141回のオール費目別計算なんていい例だ。あれは、85回の焼き直し問題。20年ぶりの出題だった。それを考えると、差異の会計処理も結構危ないのかな、と思うようになった。

そこで、標準原価差異の会計処理のエッセンスを抽出した問題を作ってみた。むやみに難しくするのではなく、その本質を理解してもらえるよう、計算量は最小限におさえてある。本問は、原料も1つしかなく、工程も1つしかない。(第111回は、原料が2種類で2工程あるため計算量が多く煩雑。)原料も仕掛品も製品も期首在庫がない。

だからといって決して簡単なわけではない。特に差異の追加配賦額の計算方法が分かっても、いざ、それを帳簿に記入しようとすると、どうしていいのか分からなくなる人もいるだろう。この記帳については、少なくとも一度は体験してみることが肝要だ。

初見で出来なくても全然恥ずかしいことではない。出来なかった人は、まず、差異の追加配賦額をどう計算するのか、それをどう記帳するのかを解説を読んで理解しよう。そして、計算方法と記帳方法をマスターしたら、ぜひ2回目もやってみて欲しい。

問題

当社は製品Xを生産販売しており、全部標準原価計算を採用している。下記の条件にもとづき、以下の問に答えなさい。

資料

1.製品X単位あたりの標準原価
原料 @600円×1.5kg= 900円
加工費 @1500円×0.4時間= 600円
合計   1,500円
2.加工費変動予算と製品別配賦

加工費は、機械加工を配賦基準とする公式法変動予算が設定されている。基準操業度は、12,500時間、年間予算額は変動加工費が6,250,000円、固定加工費が12,500,000円である。

3.年間取引データ
  1. 原料購入量と消費量
    実際購入単価620円、実際購入量70,000kg、実際消費量48,000kg
  2. 原料は購入時に、標準単価で原料勘定に借方記入している。
  3. 期首原料、期首仕掛品、期首製品はないものとする。
  4. 年間生産量
    当期投入30,000個、当期完成品27,500個、期末仕掛品2,500個(加工進捗度60%)
  5. 年間販売量は、22,500 個である。
  6. 年間実際加工費発生額は18,676,000 円、年間実際機械加工時間は12,000 時間であった。
  7. 原価差異分析は、原料は原料受入価格差異と原料消費量差異に分析している。加工費における能率差異は変動費部分と固定費部分の両方から算定している。

  1. 答案用紙に示した各勘定の記入と、各差異の金額を答えなさい。なお記帳方法は修正パーシャル・プランによること。加工費は実際発生額を仕掛品勘定の借方に集計している。なお、有利差異であれば「+」、不利差異であれば「△」を数値に付すこと。
  2. 当期の標準原価差異は通常起こりうる程度の差異であった。答案用紙に示した各項目について、外部報告目的のための標準原価差異の会計処理を行った後の金額を答えなさい。
  3. 当期の標準原価差異は異常な状態で発生したものではなく、予定が不適当であったために多額の差異が生じたものであったとする。外部報告目的のための標準原価差異の会計処理を行い、その結果を答案用紙の各勘定に記入しなさい。標準原価差異を追加配賦するさいには、追加配賦して得られた各勘定の期末残高が可能な限り実際原価に一致するように追加配賦すること。

答案用紙

問1
原料費 受入価格差異 (    )
  消費量差異 (    )
加工費 予算差異 (    )
  能率差異 (    )
  操業度差異 (    )
仕掛品
原料費 (    ) 当期完成品 (    )
加工費 (    ) 期末仕掛品 (    )
    標準原価差異 (    )
製品
当期完成品 (    ) 売上原価 (    )
    期末製品 (    )
問2
売上原価 (    )
期末製品 (    )
期末仕掛品 (    )
期末原料 (    )
問3
仕掛品
原料費 (    ) 製品 (    )
加工費 (    )  次期繰越 (    )
追加配賦   原料消費量差異 (    )
 原料受入価格差異 (    ) 加工費配賦差異 (    )
 原料消費量差異 (    )    
 加工費配賦差異 (    )     
製品
仕掛品 (    ) 売上原価 (    )
追加配賦   次期繰越 (    )
 原料受入価格差異 (    )    
 原料消費量差異 (    )    
 加工費配賦差異 (    )    
売上原価
製品 (    ) 損益 (    )
追加配賦      
原料受入価格差異 (    )    
原料消費量差異 (    )    
加工費配賦差異 (    )    

解答

解答(クリックで開きます)

問1

原料費 受入価格差異 △1,400,000円
  消費量差異 △1,800,000円
加工費 予算差異 △176,000円
  能率差異 △600,000円
  操業度差異 △500,000円
仕掛品
原料費 28,800,000円 当期完成品 41,250,000円
加工費 18,676,000円 期末仕掛品 3,150,000円
    標準原価差異 3,076,000円
製品
当期完成品 41,250,000円 売上原価 33,750,000円
    期末製品 7,500,000円

問2

売上原価 37,786,000円
期末製品 7,500,000円
期末仕掛品 3,150,000円
期末原料 13,640,000円

問3

仕掛品
原料費 28,800,000円 製品 41,250,000円
加工費 18,676,000円 次期繰越 3,446,000円
追加配賦   原料消費量差異 1,800,000円
 原料受入価格差異 75,000円 加工費配賦差異 1,276,000円
 原料消費量差異 155,000円    
 加工費配賦差異 66,000円    
製品
仕掛品 41,250,000円 売上原価 33,750,000円
追加配賦   次期繰越 8,180,000円
 原料受入価格差異 150,000円    
 原料消費量差異 310,000円    
 加工費配賦差異 220,000円    
売上原価
製品 33,750,000円 損益 36,810,000円
追加配賦      
原料受入価格差異 675,000円    
原料消費量差異 1,395,000円    
加工費配賦差異 990,000円    

解説

解説(クリックで開きます)

問1解説

本問は、標準原価計算の基本的な差異分析と期末における原価差異の会計処理がテーマの問題です。原価計算基準の規定にもとづく会計処理が求められています。問1は日商簿記2級レベルです。確実に出来るようにしておきましょう。

Step.1 原料のボックスと生産データの整理

原料
購入
70,000kg
@620円  
消費
48,000kg
@600円
期末
22,000kg
@600円
受入価格差異
@20円×70,000kg
仕掛品
投入
原料30,000個
加工29,000個 
完成
27,500個(@1,500円)
期末
2,500個(@900円)
1,500個(@600円)
製品
完成
27,500個 
販売
22,500個
期末
5,000個

Step.2 各勘定の記入

仕掛品
原料費 @600円×48,000kg
=28,800,000円
当期完成品 @1,500円×27,500個
=41,250,000円
加工費 (実際発生額)
18,676,000円
期末仕掛品 @900円×2,500個
+@600円×1,500個
=3,150,000円
    標準原価差異 (貸借差額)
3,076,000円
製品
当期完成品 @1,500円×27,500個
=41,250,000円
売上原価 @1,500円×22,500個
=33,750,000円
    期末製品 @1,500円×5,000個
=7,500,000円

Step.3 差異分析

原料費

 受入価格差異:(@600円−@620円)×70,000kg=△1,400,000円
 消費数量差異:@600円×(30,000個×1.5kg−48,000kg)=△1,800,000円

加工費

 予算差異:@500円×12,000時間+12,500,000円−18,676,000円=△176,000円
 能率差異:@1,500円×(29,000個×0.4時間−12,0000時間)=△600,000円
 操業度差異:@1,000円×(12,0000時間−12,500時間)=△500,000円

問2解説

Step.1 原則的な標準原価差異の会計処理

問2は、原則的な標準原価差異の会計処理の問題です。日商簿記2級でも学習していますが、標準原価差異は、原則的に当年度の売上原価に賦課します。ただし、材料受入価格差異がある場合は、注意が必要です。材料受入価格差異は、材料を受け入れた時に差異を把握します。本問のように70,000kg購入すれば、70,000kg分の材料受入価格差異が計上されます。

しかし、実際には48,000kgしか消費しておらず製品となって販売されたのはあくまでも48,000kg分です。それにも関わらず、70,000kg分の材料受入価格差異をすべて賦課してしまうのは、おかしい、という観点から「材料受入価格差異は,当年度の材料の払出高と期末在高に配賦する」というルールになっています。この点をしっかりおさえましょう。

標準原価差異の会計処理については、原価計算基準47に以下のように記載されています。

四七 原価差異の会計処理

  1.  原価差異は,材料受入価格差異を除き,原則として当年度の売上原価に賦課する。
  2.  材料受入価格差異は,当年度の材料の払出高と期末在高に配賦する。この場合,材料の期末在高については,材料の適当な種類群別に配賦する。

原価計算基準47によれば、原価差異は受入価格差異を除き、すべて当期の売上原価に賦課するとあります。よって、問1より仕掛品勘定に計上されている標準原価差異3,076,000円は、すべて当期の売上原価に賦課されます
一方、受入価格差異は、「当年度の材料の払出高と期末在高に配賦する」とあります。したがって、問1で計算した受入価格差異△1,400,000円は、払出高48,000kgと期末有高22,000kgに按分されます。そして、払出高に配賦された差異のみが当期の売上原価に賦課されます。

Step.2 受入価格差異の配賦額

払出高への配賦:1,400,000円×48,000kg÷(48,000kg+22,000kg)=960,000円
期末有高への配賦:1,400,000円×22,000kg÷(48,000kg+22,000kg)=440,000円

Step.3 各項目の金額

売上原価 33,750,000円
+3,076,000円
+960,000円
=37,786,000円
期末製品 (問1と同じ)
7,500,000円
期末仕掛品 (問1と同じ)
3,150,000円
期末原料 @600円×22,000kg
+440,000円
=13,640,000円

問3解説

Step.1 例外的な標準原価差異の会計処理

問3は、例外的な標準原価差異の会計処理の問題です。これは日商簿記1級の論点です。「予定価格等が不適当なため,比較的多額の原価差異が生ずる場合、当年度の売上原価と期末におけるたな卸資産に科目別に配賦する」というルールになっています。ここで科目別というのは、材料費とか加工費のことです。

つまり、標準原価差異は、本来であれば売上原価だけではなく、期末棚卸資産(仕掛品、製品、半製品など)にも配賦すべきです。あくまでも理論的な整合性を突き詰めればですよ。しかし、本来、予定がそれほどおかしくなければ、そもそも標準原価差異はわずかしか出ないはずです。そうであれば、そのわずかな差異をさらに細かく期末棚卸資産へ配賦したところで、実務上あまり意味がないという考え方をするのです。言い方を変えれば「理論的には多少おかしいけど、手間掛けてまで厳密な計算したところで、大差ないなら計算が楽な方でいいじゃない」ということです。これが原価計算基準の言う所の原則です。

しかし、予定がおかしいなど、何か問題があって、差異が大きくなってくると、そうは言ってられなくなります。さすがに大きな差異をそのまますべて、売上原価に賦課してしまうのは、売上原価が過大になりすぎる。この場合は、ちゃんと計算して、売上原価と期末棚卸資産に配賦しようということです。

原価計算基準で規定されている例外的な標準原価差異の会計処理

この問題は、標準原価差異の例外的な会計処理の理解を問うています。

四七 原価差異の会計処理

 予定価格等が不適当なため,比較的多額の原価差異が生ずる場合,直接材料費,直接労務費,直接経費および製造間接費に関する原価差異の処理は,次の方法による。
 (2)総合原価計算の場合
  当年度の売上原価と期末におけるたな卸資産に科目別に配賦する。

Step.2 追加配賦額の算定

受入価格差異の追加配賦額の算定

標準原価差異の追加配賦額を算定します。原料受入価格差異は、原料の物量に応じて、当年度の売上原価と棚卸資産に配賦します。そのさい、原料消費量差異にも配賦することに注意しましょう

  原料の物量 追加配賦額
売上原価 22,500個×1.5kg=33,750kg 675,000円
期末製品 5,000個×1.5kg=7,500kg 150,000 円
期末仕掛品 2,500個×1.5kg=3,750kg 75,000 円
期末原料 22,000kg 440,000 円
消費量差異 30,000個×1.5kg−48,000kg
=3,000kg
60,000円 
合計 70,000kg 1,400,000円
消費量差異の追加配賦額の算定

続いて原料消費量差異の追加配賦額を算定します。原料消費量差異は問1で1,800,000円と算定されていますが、さきに、原料受入価格差異60,000円が配賦されますので、合計1,860,000円となります。当年度の売上原価と棚卸資産に配賦します。

  物量 追加配賦額
売上原価 22,500個 1,395,000円
期末製品 5,000個 310,000 円
期末仕掛品 2,500個 155,000 円
合計 30,000個 1,860,000円
加工費配賦差異の追加配賦額の算定

最後に加工費配賦差異の追加配賦額を算定します。加工費配賦差異は問1で1,276,000円と算定されています。これを。当年度の売上原価と棚卸資産に配賦します。このとき配賦基準となるのは、加工量(完成品換算量)です。

  完成品換算量 追加配賦額
売上原価 22,500個 990,000円
期末製品 5,000個 220,000 円
期末仕掛品 1,500個 66,000 円
合計 29,000個 1,276,000円

Step.3 追加配賦後の各勘定の記入

ここから最後のポイントです。Step.6で追加配賦額が判明したわけですが、これをどう記帳するのかは、知らないと戸惑うポイントです。まずは、追加配賦する前の各勘定をベースにします。そこに、(不利差異ですから)借方に追加配賦額を記帳します。そして、その額は、次期繰越に計上されるわけです。

標準原価差異を追加配賦する前の仕掛品勘定(問2の解答より)
仕掛品
原料費 28,800,000円 製品 41,250,000円
加工費 18,676,000円 次期繰越 3,150,000円
追加配賦   原料消費量差異 1,800,000円
 原料受入価格差異   加工費配賦差異 1,276,000円
 原料消費量差異      
 加工費配賦差異      
  標準原価差異を追加配賦したあとの仕掛品勘定
仕掛品
原料費 28,800,000円 製品 41,250,000円
加工費 18,676,000円 次期繰越 3,150,000円
+追加配賦額296,000円
3,446,000円
追加配賦   原料消費量差異 1,800,000円
 原料受入価格差異 75,000円 加工費配賦差異 1,276,000円
 原料消費量差異 155,000円    
 加工費配賦差異 66,000円    
標準原価差異を追加配賦する前の製品勘定(問2の解答より)
製品
仕掛品 41,250,000円 売上原価 33,750,000円
追加配賦   次期繰越 7,500,000円
 原料受入価格差異      
 原料消費量差異      
 加工費配賦差異      
  標準原価差異を追加配賦したあとの製品勘定
製品
仕掛品 41,250,000円 売上原価 33,750,000円
追加配賦   次期繰越 7,500,000円
追加配賦額+680,000円
8,180,000円
 原料受入価格差異 150,000円    
 原料消費量差異 310,000円    
 加工費配賦差異 220,000円    
標準原価差異を追加配賦したあとの売上原価勘定
売上原価
製品 33,750,000円 損益 36,810,000円
追加配賦      
原料受入価格差異 675,000円    
原料消費量差異 1,395,000円    
加工費配賦差異 990,000円    

講師のひとりごと

ネタバレ含みます(クリックで開きます)

個人的には、差異の追加配賦の問題ってどうもあまり好きではない。なんというか作問者目線で見てつまらないというか、モヤモヤするんだよなぁっという感じ。

どういうことかというと・・・

本問の解説にもあるけど、原価計算基準47を見ると、差異の会計処理方法っていうのは、それほど詳しく規定されているわけではないんだ。「予定価格等が不適当なため,比較的多額の原価差異が生ずる場合、当年度の売上原価と期末におけるたな卸資産に科目別に配賦する」とあるだけで、具体的にどのように会計処理をすればいいのか記述がない。

だから、楽して計算する「一括配賦法」ときちんと計算する「ころがし計算法」があってどちらも認められている。というか、もっと他にも方法がある。とにかく、売上原価と期末棚卸資産に科目ごとに配賦すればいいのだから、やり方は色々考えられる。

本来、この差異の追加配賦の問題のおもしろさは(作問する側の視点だと)、「一括配賦法」と「ころがし計算法」の両方をやらせてみて、どの程度、計算の手間(これを計算の経済性という)が異なるのか、どの程度、正確性が異なるのかを体感してもらうところに急所があるんだと思う。

ところが、本問には棚卸資産の期首在庫がない。すると、結果として、「ころがし計算法」を指示しているはずが、現実には「一括配賦法」とまるで同じ計算になってしまう。これじゃあ面白くもなんともない。というか「ころがし計算法」ってこうやるのかと誤解してしまう可能性すらある。

本来、「ころがし計算法」は原価差異を要素とした実際原価計算をやることだ。当然、先入先出法(FI)でやるのか平均法(AM)でやるのかといった指示が必要だ。ところが期首在庫がないと、FIもAMもあったもんじゃない。期末在庫しかないんだから、その量で按分すればいいことになる。つまり、「一括配賦法」と同じ計算だ。

これ、自分が受験生のとき、不思議でしょうがなかった。「ころがし計算法でやれって書いてあるけど、解説見ると一括配賦しているようにしか見えないんだけど、どういうことなんだろう」とずーっと疑問だった。当時のスクールの講師に聞いても分からなかった。スクールの講師も分かっていないのだと思う。

つまり、差異の追加配賦の方法っていうのは、実は色々あって、よっぽど条件をきちっと書かないと問題として成立しないのだ。それが面倒なんで、日商は、期首を抜いたのだと思うけど、そうすると今度は、「一括配賦法」と「ころがし計算法」の相違点がなくなってしまって、面白くもなんともなくなる。

このあたりがなんだかなぁと思うところだ。

ちなみに、冒頭にも書いたけど、標準原価計算の差異の会計処理は、近年全く出題されていない。過去問を調べてみたら、最近25年間で、82回、87回、111回の3回出題されていることが分かった。25年間でたったの3回だ。多くはない。しかもどれも期首在庫がない同じパターンの問題だった。だから、本試験対策としては、本問のように期首在庫がないパターンだけで大丈夫だと思う。(つまり一括配賦法的な計算で大丈夫だと思う)

そうそう、もう一つ、あった。

原料受入価格差異なんだけど、これも、本問の解説では、各項目(売上原価、期末製品、期末仕掛品、期末原料、消費量差異)に配賦して、そのあと、原料消費量差異をまた原料の物量を基準に配賦しているけど、これだって、別にこの計算式じゃなきゃいけないわけではない。

だって、原価計算基準によれば「材料受入価格差異は,当年度の材料の払出高と期末在高に配賦する」とあるだけで、上記のように各項目すべてバラバラに配賦せよとは書かれていない。だから、材料の払出高と期末在高の2つの項目だけに配賦して、払出高に配賦した方は、材料消費量差異と合算して「材料費差異」とし、それをころがして計算しても構わない。この方が少し計算が簡単。このあたりもきちんと指示が無いからモヤモヤするんだよなぁと思うところだ。

ちなみに、本問は期首在庫が無いので、どちらで計算しても同じ答えになる。結局、日商もゴチャゴチャ指示を出して問題文を複雑化させ、複数解答の可能性が発生するのが嫌だから、期首在庫を無くすことで、どう計算しても同じ答えになるようにしたんだと思う。

この点も、なんだかなぁと思うところだ。

まあ、このあたりは、作問者視点でのつぶやきなので、何言ってるのかよく分からなかったらスルーしてね。


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ミニテスト・標準原価計算(差異の会計処理)” に対して1件のコメントがあります。

  1. えだまめ より:

    問題ありがとうございました。。

    標準原価計算の「天然あほ」に今一つなれなかったです><
    材料の転がし計算で、間違えてあれ?なんでと再計算してみたら基準とする数字を間違えました。
    あれだけぇ~。完成編の標準原価計算勉強しまくったのに、悔しいです。
    そのほかは、正解してました。
    美味しく完食したかったです・・・。

    1. pro-boki より:

      >標準原価計算の「天然あほ」
      ん?何それ?

      >材料の転がし計算で、間違えてあれ?なんでと再計算してみたら基準とする数字を間違えました。
      追加記事にも書いたのですが、実際は転がし計算といっても、転がしてないんですよ。(期首在庫が無いので)
      このあたり、間違えないようにしてくださいね。
      万が一、本試験で、期首があったら、上記のように計算したらダメですよ。ちゃんと転がさないと。
      その点だけ、注意ね。

  2. えだまめ より:

    お返事ありがとうございました。
    「天然あほ」は、スルーして下さい><

    テキスト完成編のP7-63のPLとBOX図間の文書にころがし計算法と記載してあって、そのまま頭の中にインプットされてます。
    テキストでも期首が無いパターンですので、転がし法と思ってました。
    わたし、何か勘違いしてますか?

    1. pro-boki より:

      テキスト完成編のP7-65 の上部の解説を参照してくださいね。
      要は、P7-63の図は確かにころがし計算法の考え方を表していて、それは間違いではないのだけど、月初がないと、結果として(原価要素別の)一括調整法と同じ計算式になってしまいますよ、ということです。
      ですから、本試験でも月初がなければ問題ないです。今の計算方法のままで大丈夫です。
      万が一、本試験で、月初が示されたら、普通の総合原価計算と同じように先入先出法とか平均法を使った計算をしないと(そのことを転がし計算といいます)だめですよ、ということです。

  3. えだまめ より:

    転がし法とは、差異を金額ベースで単純に配賦する物だと思ってて間違いだと気が付きました。
    もう一度、解き直して確認をします。
    ご指導ありがとうございました。

  4. ちーやん より:

    作問いただきありがとうございました。
    解きましたが、特に問題なさそうです。
    ひとりごとで先生が仰っている、一括ところがしの計算方法の違い。期首がない場合は同じなのですね。日商試験では期首を除外したのですか?テキストでも期首のある問題はありませんね…いまいちスッキリしない理由が分かった気がします。。
    ここが、工原で1番スッキリしなかった論点でした。
    スッキリするために、まずは合格!
    してからもっと勉強します(笑)

    1. pro-boki より:

      >ここが、工原で1番スッキリしなかった論点でした。

      センスいいですね。私も受験生時代、多分いちばんスッキリしなかったのはこの箇所です。
      テキストには「ころがし計算」って言ってるのに「全然ころがしてないし!」と思ったからです。
      会計士のテキストには、期首がある問題があって、それはちゃんと転がしてました。それを見て「ああ1級の過去問は、期首を除いているから、あんな風になるのか」と気付いたわけです。ということで、ここ、多分勘違いしている人多いだろうなぁ、とも思いつつも、講義をやるときは、わざわざ10年以上出題されていない論点を深く突っ込んで解説するのも、なんだかなぁ、他にもっと大事な論点あるし、みたいな感じなのです。

    2. ちーやん より:

      お返事いただきありがとうございました。
      なるほど、会計士…管理会計ですね?
      今回のラスパで原価差異の論点に触れていなかったら、作問をお願いするつもりでした。
      手持ちの問題集では問題なかったので、自分でも何が不安なのかわからなかったからです。
      ころがしの意味、先生のご説明で何となくですがわかったような気がします。実際に解いてみないと何とも言えませんが…。1級の範囲外とのことなので、まずは本試験に向けて完成度を上げていきます。
      また、不安な箇所があったらお願いするかもしれません。
      その時はよろしくお願いします。

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