1級商会・デリバティブ取引(ヘッジ会計)

デリバティブ取引(ヘッジ会計)
デリバティブ取引とセットで出題されるのがヘッジ会計。これも意味さえ分かってしまえば難しくない。だけど、そもそもデリバティブもヘッジもなんだか意味不明という状態のまま暗記に走る人が少なくない。
仕訳は簡単だから確かに暗記もしやすい。でも、それじゃあすぐ忘れちゃうよね。それに「ここ苦手」という意識を持ってしまうと精神衛生上よろしくない。逆に仕訳とか忘れちゃっても「意味は分かってるから何とかなる」くらいの気分だと本番で強かったりする。
ここではヘッジ会計について解説するよ。デリバティブの意味は分かっていることを前提にするから、もし、自信が無いようなら、前回の記事読んでね。それでははじめるよ。
デリバティブ取引はいろいろあるけど基本は同じ
テキストには、金利スワップ、先物取引、オプション取引などさまざなデリバティブ取引が載っているけど、それぞれを別のものとして覚える必要はない。要するに、どれも”約束”に対して資産価値(または負債価値)を見出して、決算時には売買目的有価証券のように時価評価し評価差額を損益計上するよ、ってこと。
で、その約束の中身が違うわけ。概要を紹介するよ。
先物取引
これは、前回の記事で書いたとおりだね。たとえば外国為替の先物取引だったら「1ドルあたり100円で1万ドル買ってカレントレートで売る約束」をするという感じだ。この場合、もし、カレントレートが110円なら、この約束は10万円の資産価値があるよね。くわしくは前回の記事を読んでね。
金利スワップ
金利スワップは「変動金利を払うかわりに固定金利もらうね(またはその逆)」という約束。もし、市場金利が3%のときにこの約束をして、しばらくして金利が1%になったとする。そうなると、この約束の価値って大きいよね。だって、自分は1%払えばいいけど3%固定金利もらう約束なんだから2%得する。だから、この約束自体にも資産価値がある。決算時には、これを時価評価して損益計上するってことだね。
オプション取引
オプション取引は、ちょっと難しい。例えば前回の記事の先物取引を思い出してもらいたい。あの例だと「1万ドルを1ドルあたり100円で買ってカレントレートで売る」という約束をしているわけだよね。だからカレントレートが1ドルあたり100円を超えれば得するけど、100円切っちゃうと損する。
ここで、ちょっと、都合のいいことを考えてみよう。1ドルあたり100円を超えたときには、約束を行使できるけど、100円を切ったら、約束を反故にしてもいい、なんていう都合のいい考え。この願いを叶えてくれるのがオプション取引だ。つまり、あらかじめいくらかお金を払えば(=オプション料)、その願いが叶えられるのだ。ただし期限付きね。つまり、その期限内に100円を超えていればいつ売っても得するし、100円切ったら約束を反故にすればいい。でも、このオプション料が結構高いわけ。つまり損失を限定出来るという意味で保険的な使われ方をする。
で、このオプションって価値あると思わない?だって、これ持っていれば、利益は青天井だけど、損失は限定的になるんだよ。よって、決算時に、オプション資産として資産計上しなければいけない。そして、このオプション資産の価値は、マーケットレートで変動するから、時価評価するんだ。そして評価差額は当期の損益にするわけだ。仕組みとしてはこんな感じ。でも、結局は、約束の内容が少し複雑というだけで、他のデリバティブと同じだ。会計処理もほぼ同じ。
そして、試験によく出るのが、国債と社債の先物取引だ。これ、先の記事で書いたFXとほとんど同じ。FXは外国通貨が対象だけど、それが国債とか社債になっただけ。先物取引って、だいたい価格が変動するものなら何でも対象になっちゃうんだよね。
ということで、それぞれのデリバティブ取引を別のものとして理解しようとするとハマるからやめたほうがいい。まず根っこにある考え方を押さえよう。おんなじだから。
ヘッジとは何か
さて、いよいよヘッジ会計だ。具体的な例で考えてみよう。例えば社債を買うとするよね。現物で。@97円として1万口買ったとしよう。97万円だ。これを、その他有価証券で記帳する。つまり、資産運用の一環として利息欲しさで持っているけど、満期まで持つと決めているわけでもないという感じだね。
さて、利息欲しさで手にいれたものの、社債自体は日々価格が変動するものだから、利息以上に時価が落ちてしまったら意味ないわけだ。そこで、なんとか利息だけもらえないかと考える。そこで登場するのが、デリバティブだ。
ここで、ちょっと注意点を言っておくと、デリバティブは、必ずしも先に買って後で売るパターンじゃなくてもいいんだ。逆もOK。つまり先に売って後で買い戻してもいい。実体のあるものの取引ではなくてバーチャルな”約束”なのでどちらでもOKだ。
ということで、社債の実物は、97万円で買っておいて、一方で、デリバティブで売っておくんだ。(正確には売りポジションを持つという)
すると社債の時価が下がると実物資産の価値は落ちるけど、その分、デリバティブが儲かるのでプラスマイナスゼロになるってことね。で、結果として利息分だけ安定してもらえると。そういう感じ。
この取引、つまり「実物資産からの利息がほしいけど、価格変動はいやだからそのリスクを緩和したい」「そのためにデリバティブを使う」というケースをヘッジという。

いい?ここまでしっかりイメージ持ってよ。では、続きは、会話文でどうぞ。
繰延ヘッジをつかむ
| 経理 | 社長、今期の例の社債利息は5万円でした。しかし、社債の時価は下落してまして20万円のマイナスです。 |
| 社長 | でもたしか、例の社債は先物取引でヘッジしてたよな。それはどうなってる。 |
| 経理 | はい、先物取引のほうは下落すると得しますので、20万円プラスです。 |
| 社長 | おおそうか、じゃあ、問題ないじゃないか。ちゃんとヘッジできているな。プラスマイナスゼロだ。利息分だけもらえたわけだな。 |
| 経理 | いや、社長、それが、ちょっと問題がありまして。 |
| 社長 | どうした。 |
| 経理 | 社債は、その他有価証券で記帳し全部純資産直入法を採用しているんです。 |
| 社長 | それがどうした。 |
| 経理 | はい、ですから、評価差額が20万円のマイナスですが、これは純資産に直入されちゃって、損益計算書には出てきません。 |
| 社長 | まあ、そうだろうな。 |
| 経理 | ところがですね。先物取引で得た20万円のプラスですが、これはデリバティブですから、損益計上されちゃいます。 |
| 社長 | ん?ということは損益計算書に計上されるということか。 |
| 経理 | はい。ですので、その分、税金も取られるということでして・・・ |
| 社長 | おいおい、それはおかしいだろ。だいたい、先物取引は、社債の価格下落をヘッジするためにやっているんだ。先物取引は20万円儲かったから税金いただきます。一方で社債は純資産に直入するから税金関係ありませんじゃおかしいだろ。 |
| 経理 | はい、おっしゃるとおりです。 |
| 社長 | なんとかならんのか。 |
| 経理 | はい、そこでヘッジ会計の登場です。 |
| 社長 | なんだそりゃ。 |
| 経理 | えーとですね。この先物取引と社債は一体ですよ、と認めてもらうんですよ。 |
| 社長 | するとどうなるんだ。 |
| 経理 | 本来、先物取引の20万円の収益は、今期に損益計上すべきですが、これを損益計上せずに翌期に繰り延べられるのです。 |
| 社長 | ほう。 |
| 経理 | つまり、先物取引は社債と一体だから、社債の損益を繰り延べるなら、先物取引の損益も繰り延べていいよ、というルールです。 |
| 社長 | なるほど。それは理にかなっとる。仕訳はどうなるんだ。 |
| 経理 | はい、本来先物取引の分は、 (先物取引差金)20万円(先物損益)20万円 ですが、ヘッジ会計を適用すると、この損益のところを翌期に繰り延べるので (先物取引差金)20万円(繰延ヘッジ損益)20万円 になります。 |
| 社長 | ということは「繰延ヘッジ損益」という勘定科目は、「損益」とついているけど、本当は損益じゃなくて、収益を繰り延べている勘定ということか?前受収益と同じ経過勘定みたいなもんだな。 |
| 経理 | さすが社長でございます。考え方はそのとおりです。ただちょっと注意が必要なのが、前受収益は負債勘定ですが、繰延ヘッジ損益は純資産勘定なのです。 |
| 社長 | ほう。 |
| 経理 | その他有価証券の評価差額も純資産に直入しています。それに合わせたわけです。 |
| 社長 | なるほど、それも理にかなっとるな。では、その会計処理でやってくれ。この会計処理はなんという名前なんだ? |
| 経理 | はい、繰延ヘッジといいます。 |
| 社長 | そうか、では頼んだぞ。 |
| 経理 | えーとですね・・・それが・・・ |
| 社長 | どうした? |
| 経理 | 実は、ヘッジ会計をするためには、適用要件がありまして。事前にこの社債とこの先物取引はセットでヘッジ会計しますと宣言しないと認められないんです。 |
| 社長 | まさか・・・ |
| 経理 | はい、それを忘れちゃってまして、今回はヘッジ会計適用できません。 |
| 社長 | がっくーん |
時価ヘッジをつかむ
会話文から繰延ヘッジのイメージはつかめただろうか。別に難しくないでしょ。仕訳でいえば、先物損益勘定が、繰延ヘッジ損益勘定に変わるだけだからね。その1箇所以外どこも変わらない。だからつい暗記に走っちゃう人がいる。だめだよ。意味も分からず暗記しちゃ。上記の意味をしっかりおさえよう。
さて、ヘッジ会計は、ざっくり言ってしまえば、その他有価証券は、評価差額を翌期に繰り越すのに、デリバティブは時価評価して損益出しちゃうから、整合性が取れてない(損益の認識タイミングがあってない)。そこで、それらをあわせようね、という話だった。
で、繰延ヘッジは、デリバティブの損益を翌期に繰り越すことで、つじつまをあわせた。
これに対して、時価ヘッジは、デリバティブの損益はそのままに、その他有価証券の評価差額を損益とすることでつじつまを合わせよう、ということだ。
普通、決算時のその他有価証券の評価差額の仕訳は次のとおりだ。
(その他有価証券)20万円 (その他有価証券評価差額金)20万円
時価ヘッジは、純資産に直入される評価差額金を、次のように当期の損益にしちゃうんだ。
(その他有価証券)20万円 (その他有価証券評価損益)20万円
別に難しくないでしょ。理屈さえ分かっちゃえばヘッジ会計はとっても簡単。

まとめ
最後に、理論問題対策用に、用語の説明とまとめを書いてみる。
上記の例は、その他有価証券の値動きをリスクヘッジするために、先物取引というデリバティブを使ったわけだ。この場合のその他有価証券のことを「ヘッジ対象」、先物取引のことを「ヘッジ手段」という。
そして、どのデリバティブも、ヘッジ手段は決算時に時価評価して損益計上する。一方で、ヘッジ対象は評価差額を損益計上しない場合がある(試験に出るのはたいていその他有価証券)。ここで、ヘッジ会計とは、ヘッジ手段とヘッジ対象の損益を同じ会計期間で認識する会計処理のことで方法は2つある。
1つは、ヘッジ手段の損益を、その期の損益にしないで、ヘッジ対象の損益を認識するまで繰り延べてしまう方法。これを繰延ヘッジという。もう1つは、ヘッジ対象の評価差額をその期の損益にしてしまう方法。これを時価ヘッジという。なお、会計基準では、繰延ヘッジが原則、時価ヘッジが容認である。
余談
しかし、市販のテキストは厳しいね。T社とN社のテキスト、計4種類を読んでみたけど、これ、独学者が何も知らずに読んだら理解するの相当厳しいだろうと思った。
金融商品に関する会計基準をテキスト向けに書き換えているだけのような感じだ。自分の言葉で噛み砕かれていない説明文は分かりにくい。まあ、講座を受けている人は、噛み砕かれた説明を聞いているのかもしれないけどね。
とにかく、このあたりは仕訳とか会計処理が難しいのではなくて、取引のイメージがしにくいだけなので、イメージさえ出来てしまえば簡単だ。是非マスターしてね。
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こんにちは。
まだ一読しただけですが、なんとかイメージできました。これまでは仕訳をほぼ暗記でした。
オプション取引は全経上級ではよく見かけましたが、日商は出てませんでしたか。
ところで、会話のところで、ヘッジ会計宣言ってありますが、これは注記?あたりに記載して宣言するのでしょうか?
デリバティブは独学だとモヤモヤして覚えてしまっていてこのような解説は助かります。
もう少し読んで、金利スワップあたりで疑問が出てきそうなので、また宜しくお願いします。
>オプション取引は全経上級ではよく見かけましたが、日商は出てませんでしたか。
全経上級ではよく出てましたか。それでは、解説付け足しますね。
>ところで、会話のところで、ヘッジ会計宣言ってありますが、これは注記?あたりに記載して宣言するのでしょうか?
これは金融商品に関する会計基準の「3.ヘッジ会計の要件」に記載があります。リンク先をご覧頂ければ11ページ目に載ってます。
要するに「この取引はリスクヘッジのためにやってますよというのを文書で確認できること」さらに「社内に内部規定や内部統制組織が存在していてしっかり管理できること」で、実際に、そのヘッジ対象(社債)とヘッジ手段(デリバティブ)の損益が相殺されるという事実があって、その効果が定期的に確認されることです。
ヘッジ会計の適用条件を満たしているか否かは、試験には出ないので気にしなくても大丈夫だと思います。
先生、前の記事の仕訳確認ありがとうございました。
続いて、ヘッジ会計も今までよりイメージ出来ました。
各取引が別物でつながっていませんでしたが、
テキストの設例を解いてみると、確かに「先物取引」も「金利スワップ」も「オプション取引」も
全部同じ仕訳パターンでした!
過去問レベルでさらに確認します。
>続いて、ヘッジ会計も今までよりイメージ出来ました。
よかったです。
>テキストの設例を解いてみると、確かに「先物取引」も「金利スワップ」も「オプション取引」も全部同じ仕訳パターンでした!
そうそう。デリバティブは勘定科目にだまされちゃいかんのですよ。色々な名称が出て来るからややこしいけど、やってることは同じなんです。基本、決算時にデリバティブは時価評価して損益計上する。だけど、ヘッジ会計だったら、ヘッジ対象とヘッジ手段の損益認識タイミングをあわせる、とこれだけの話です。で、デリバティブの種類によって勘定科目が違うだけ。やってることは同じ。
こうやって、覚えていくと覚える量も少なくなるし、互いの関連性も分かってくるので忘れにくくなると思いますよ。
こんばんは。
この記事を読んでふと疑問に思ったことがあります。
ここには時価ヘッジの評価益の場合しか書いてないのですが、評価損の場合の仕訳は
投資有価証券評価損益XX その他有価証券XX
ですよね?
全部純資産直入法なのになぜ『その他有価証券評価損益』ではなく『投資有価証券評価損益』なのでしょうか?損益を相殺しないためでしょうか?
あと、通常のその他有価証券の評価時に部分純資産直入法の場合、
評価損を費用計上するの際、なぜ『その他有価証券評価損』ではなく『投資有価証券評価損』なのでしょうか?
もしご存じであれば教えてください。
『その他有価証券評価損』と『投資有価証券評価損』の違いって分かりますか?
そのまえに、勘定科目と表示科目の違いってわかりますか。
勘定科目は仕訳をするときに使う科目、表示科目は財務諸表に表示するときの科目です。で、基本的に勘定科目って縛りがないんですよ。企業の中の人が好きに使っていいわけです。(一般に使われる勘定科目って決まってますけど)
一方、表示科目は、外部公表用ですから勝手な名前使っちゃいけません。なお、表示科目を仕訳で使うこともあります。別に問題ないです。仕訳は何使おうと勝手ですから。
さて、「投資有価証券」は表示科目です。「その他有価証券」は勘定科目です。で、「その他有価証券」は、「投資有価証券」の一種類です。ですから、仕訳段階では、どちらを使っても構いません。つまり、
① 投資有価証券評価損XX その他有価証券XX
② その他有価証券評価損XX その他有価証券XX
どちらも同じ意味です。というか、①は②を内包しているわけです。
①は表示科目、②は勘定科目を使っているというだけです。
ちなみに、「その他有価証券評価差額金」は全然意味違いますからね。これは純資産の科目であって、損益の科目ではないので意味がまるで違います。
大事なことは、仕訳をしている段階とかT/Bの段階で使うのは勘定科目なので、その名前はどうでもいいということです。中身が分かればいいのです。そこで引っ掛かってはいけません。ただ一般に使われている勘定科目名って言うのはおおむね決まっていますから、あまりに適当なのはまずいですが。
で、勘定科目って実務ではものすごいたくさん種類があるわけです。それを全部B/SとかP/Lに載せることは出来ないので表示科目に集約するわけです。なお、表示科目を通常の仕訳で使っても全然問題ないです。ただし、試験問題の場合、だいたいT/Bが与えられていますよね、もし、仕訳が求められたら、そこで使われている勘定科目を使わないとダメです。(まあ1級ではあまり仕訳で勘定科目を書かせるとかしませんけど)
この説明で分かりますか?ちょっと分かりにくかったら、疑問点をお気軽に追加質問してくださいね。ここって、結構、分かっていない人多いような気がしてきました。
解説ありがとうございます。
>そのまえに、勘定科目と表示科目の違いってわかりますか。
・・・。勘定科目=表示科目だと思っていました。
つまり勘定科目(表示科目)を勝手な名前にすると、税務署、投資家等会社外の人が財務諸表を見たときに何を表している科目かわからないということがあってはならない(つまり誰がみてもわかるものでなければならない)ので、共通化されているものだと思っていました。
なので、今まで意味を深く考えず、科目名は“暗記するもの”と思っていて、仕訳やT/Bの段階で使う科目なのか表示を目的との区別なく、全部表示科目として仕訳を覚えなければいけないと思っていました。
『「その他有価証券評価差額金」は純資産の科目であって、損益の科目ではない』というのと、
『「その他有価証券」は、「投資有価証券」の一種類である』ということは理解しています。
ですが「投資有価証券」は表示科目で「その他有価証券」は勘定科目で仕訳段階では、どちらを使っても構わないということは知りませんでした。
明確な意図を持って使い分けなければならないものだと思っていました。
科目に関して追加で質問です。『xx損益』と書く場合と『xx損』『xx益』と書く場合がありますが、これはどのように使い分けをしているのでしょうか?
これも表示科目と勘定科目の違いですか?
これは、もしかしたら科目暗記の問題ではなく、授業ではさらっと流された損益計算書と貸借対照表を理解していないことが根本にあるのかなと思ったのですが、先生はどう思われますか?
損益計算書と貸借対照表は簿記の基本中の基本なので2級、3級でもこれをちゃんと理解しているのとしないのでは違うのではないかなと思うので可能でしたら、原価計算基準を噛み砕いて説明して頂いたみたいに、先に貸借対照表原則(こっちの方が重要だと思うので)、次に損益計算書原則の押さえておかなければいけない重要箇所を説明して頂けたらと思います。
宜しくお願いします。
>なので、今まで意味を深く考えず、科目名は“暗記するもの”と思っていて、仕訳やT/Bの段階で使う科目なのか表示を目的との区別なく、全部表示科目として仕訳を覚えなければいけないと思っていました。
うわぁぁあ。こりゃいかん。それじゃあ、勉強大変だったでしょ。
覚えなきゃいけないのは「表示科目」だけ。これは省令(法律ではないけど法律みたいなもの。)で決まっているから暗記しないとだめ。
それに対して「勘定科目」なんて何でもいい。しかも1級は、勘定科目名を暗記していないと解けない問題なんて出ない。覚える必要なし。
>科目に関して追加で質問です。『xx損益』と書く場合と『xx損』『xx益』と書く場合がありますが、これはどのように使い分けをしているのでしょうか?これも表示科目と勘定科目の違いですか?
仕訳段階では、どちらを使っても構いません。借方と貸方の両方に登場する可能性があるなら、『xx損益』使った方が自然ですね、便利ですね、ってくらいのこと。(いくら自由って言っても、もちろん、試験で指示があれば従う必要ありますよ)
しかし、最終的にPLに計上するときは、『xx損』『xx益』で使い分けます。それだけの話しです。
>授業ではさらっと流された損益計算書と貸借対照表を理解していないことが根本にあるのかなと思ったのですが、先生はどう思われますか?
はい、そう思います。個々の論点の仕訳うんぬんも大事ですが、その前に、まず会計の基礎というか前提となるルールを知っていないと、えらく遠回りしてしまう可能性あります。
>先に貸借対照表原則(こっちの方が重要だと思うので)、次に損益計算書原則の押さえておかなければいけない重要箇所を説明して頂けたらと思います。
うーむ。
いや、いいんですけどね。もうそうなると簿記1級というよりも、財務諸表論の講座になってしまうような・・・
でも、そうですね。ここ、分かって無い人多そうですよね。何とかしたい気もするし・・・というか、1級の講座って、こういうことってやらないんでしたっけ?
ご説明ありがとうございます。
科目名を覚えるという余計なことに労力と脳を使いって、肝心なところが覚えきれないというなんとも・・・。
損益計算書と貸借対照表の説明に関する講座での説明ですが、11月28日の商会体験講義の前半で貸借対照表に関してさらっと説明されています。無料公開講座は毎回同じで、今回3回目を聞いたのですが、毎回こんな感じです。損益計算書原則に関しては、今年の1月に行われた別の無料の公開講座の資料を見たのですが、一番最後のページに1枚書いてあるだけで、口頭で発生主義と実現主義を中心に説明されていたと思います。(参考に資料をお送りましょうか?)
先生のおっしゃる通りP/L、B/Sの原則を全部やってしまうと、税理士とか会計士向け講座になりそうですよね。
先生はスッキリのテキストをお持ちですよね?
商会Iの一番最後が一般原則とか会計理論の説明になっています。
そこにいくつかのP/L、B/Sの原則の原文の一部が書いてあるので、そのポイントを取り上げて頂くというのはいかがでしょうか?(N社のテキストには原文は載っていませんので)
ご検討ください。宜しくお願いします。
すみません、返答遅くなりました。
>損益計算書と貸借対照表の説明に関する講座での説明ですが、11月28日の商会体験講義の前半で貸借対照表に関してさらっと説明されています。
えーと、見てませんけど、あれですかね。
B/Sだったら、金額の決め方として時価と原価があるよ、表示上では、流動と固定に分けるよ、という話ですかね。流動と固定は、正常営業循環基準と1年基準を説明したり、例えば売るのに2年掛かる商品は、流動と固定どっちだ?みたいな軽いクイズを出すみたない話ですかね?
(これは私が8年前に見た無料公開講座の内容でうっすら覚えている所なんですが・・・このあたりは、今でも変わってないのかなと思います)
だとしたら、この辺は、まあ、もちろん必要な話なのですが、根本的な話ではないです。もちろん、財表の理論対策としては基本ですから、大事なんですけど・・・。
>口頭で発生主義と実現主義を中心に説明されていたと思います。
これは、結構大事です。用語はどうでもいいのですが、その概念はとても大事。腹落ちしましたか?
>商会Iの一番最後が一般原則とか会計理論の説明になっています。そこにいくつかのP/L、B/Sの原則の原文の一部が書いてあるので、そのポイントを取り上げて頂くというのはいかがでしょうか?
そうですね。いずれはやりましょう。
でも、それ以上に思うのは、みなさん、それ以前の話が分かっていない気がするんです。
例えば、最近、記事にしましたけど、そもそも負債と純資産って同列だって言う感覚ありますか。もっと言えば、経営者は負債よりも純資産にプレッシャーを感じている、という感覚分かりますか?有利子負債って利子ありますよね。同じように純資産にも利子に近い概念あるんですけど、知ってます?実はこれ、工原でやっているんですよね。資本コスト率ってあるでしょ、あれを計算するときに出てきます。
例えば、費用と資産(まあ正確には、費用性資産といいますが)は、ほとんど同じものってこと感覚的に分かりますか?逆に言えば、何が違うのだと思いますか?
例えば、制度会計が発生主義を取るのはなぜか分かりますか?なぜにこんな面倒なことをするのか。全部現金のやりとりだけでいいじゃない。家庭で皆さん家計簿付けるとき、現金の出入りで付けているでしょ。なぜ、企業は発生主義なんていう面倒なことをするのか?これは、実は、会計公準(3つありますよね)が関係しているのですが、3つのうちのどれが関係しているか分かりますか?
それから、明日、記事にする予定ですが、分配可能額って学習されましたよね。これって、誰のために作るか知ってますか?なぜにあんなに超面倒な計算をするのか。誰得?みたいな。
そうそう、上記でも書いたとおり、なぜ、表示科目と勘定科目があるのか。なぜ勘定科目は自由で、表示科目は規制があるのか。
他にも、いくらでもあるのですが、なんというかこういう「そもそもなんでこんなことしているの?」みたいなところを、みなさん理解されていないんですよ。会計原則とか基準なんて覚えるよりも、そのずっと手前の話ですね。ここを分かっていない。
合格プログラムではそのあたりを、どこまで理解されているかチェックし、分かっていらっしゃらないようなら、その超基礎からやり直そうと思っています。企業会計原則を噛み砕くのは、その後かな、という感じです。
こんにちは。
上記先生のご質問を考えてみました。間違っているかもしれませんし、説明が不十分かもしれません。
ご指摘・ご指導宜しくお願いします。
>流動と固定は、正常営業循環基準と1年基準を説明したり・・・
はい。そんな感じです。今回先生が純資産会計で説明しているような、資産や負債に関する説明はしていません。
>発生主義と実現主義を中心に説明されていたと思います。・・・これは、結構大事です
ざっくりこんな感じで認識しています。
発生主義:費用や収益が発生したときに、現金等の受領や支払が無くても、その収益や費用が発生した期間に計上すること
実現主義:商品やサービスの提供し、同時にその対価を受け取った時に計上すること
>費用性資産・・費用と資産では何が違う?
費用性資産は、『将来費用になりうる資産(商品とか、固定資産とか)で、費用を一旦資産として計上しておくもの』だと思っていますが、費用と資産の違い???
費用は利益に影響し、資産は利益に影響しない。ではだめですか?
例えば100万の収益があり50万のPCを買った。PCを費用とすると利益は50万。
でもPCを備品(資産)とすると利益は100万。といった感じですが、いかがですか?
>企業は発生主義なんていう面倒なことをするのか?これは、実は、会計公準(3つありますよね)のうちのどれが関係しているか分かりますか?
会計公準ですか???損益計算書原則の『費用収益対応の原則』が関係しているのだと思ってました・・・。
3つの会計公準を調べてみましたが、
①企業実体の公準は、企業は1つの独立したものでありこの独立した1つの単位として会計を行うこと
②継続企業の公準は、企業は解散や清算を予定しておらず永遠に活動することを前提としている
③貨幣的評価の公準は、企業の活動はすべて貨幣額によって計算すること
ですが、③ですか??これって貨幣によって計上しなければならず、たとえば、土地300平米みたいな計上はだめですよ。ってことだと思っていましたが混乱してきました><。
>分配可能額って学習されましたよね。これって、誰のために作るか知ってますか?・・・
企業のためではないでしょうか?過度に分配しすぎて、今後の企業経営(投資活動)に影響を与えないようにするためだと思っていますがいかがでしょうか?
>「そもそもなんでこんなことしているの?」みたいなところを、みなさん理解されていないんですよ。・・・
そうですね。なんとなくというか、こういうものだから。みたいに理屈ではなく、ただ覚えるみたいなことが多いですね。
そういえば、私が小・中・高で教わった公式は『こういうものだから覚えなければならない』もので、どうしてそのような公式になるのか疑問に思ったことがなかったです。
それと同じで、簿記も「そもそもなんでこんなことしているの?」ということに疑問を持つこともなく、『こういうものなんでしょう?』って思ってひたすら暗記しようとするから
覚えられなくて、それが合格できる人とできない人の違いなのかなと、先生と出会って気づきました。
>合格プログラムではそのあたりを、(中略)その超基礎からやり直そうと思っています。
合格プログラム受けたいです。早速応募しましたが応募者多数ということで、ドキドキしながらお返事お待ちしております。
きゃろるさん
ありがとうございます。これは、記事にさせていただきますね。とてもいいネタです。
こんにちは。
記事楽しみにしています。
ちょっと、失礼かもしれないけど、きゃろるさんは、勘違いの仕方がちょうどいい(笑)
記事書くネタとして最適です。ごめん、許して。
>きゃろるさんは、勘違いの仕方がちょうどいい(笑)記事書くネタとして最適です。ごめん、許して。
普段からいろいろと変な勘違いをして笑われる事に慣れているので、気にしないでください。
多分、理解力がない、もしくは適当(雑)すぎるのが原因かと。
そして、これが原因で問題を読み間違えたり、質問内容を勘違いしたりするので気をつけてはいるつもりなのですが、そう簡単には治りません。
でも、ネタになれば、勘違いを指摘して頂けるので、逆にラッキーかもv( ̄ー ̄)v。
なので気にせず、どんどんネタにしてください。
現在商会工原含めて本質を理解出来ていない部分を
1つ1つ解決していっている真っ最中です。
ヘッジ会計は仕訳を覚えることで分かった気になっていたので
具体例の社債の購入でスッキリ理解出来ました。
同じ金融商品で新株予約権付社債が仕訳で乗り切っている論点で
上位に自分の中では位置づけられています。
分かっていない部分は
1新株予約権付社債には 転換社債型と転換社債型以外があるが
その違いって何であるかという所です。
2発行者側と取得者側の処理で
転換社債型は発行者側の処理は一括法または区分法
取得者側の処理は一括法のみ
転換社債型以外は発行者側、取得者側ともに区分法のみとあります。
これは 発行者側というのは
仕訳にすると 一括法は当座預金×× 社債××
区分法は当座預金×× 社債××
当座預金×× 新株予約権××
では取得者側とはどういうことを指すのでしょうか?
権利を行使した時のことでしょうか?
本当に素人のような質問ですいません。
イメージがつきにくく、今までは仕訳含めて本当に暗記でした。
今回手持ちのテキストを読み返してもさっぱり
分かっていないなあと改めて感じましたので
ヘッジ会計のような具体例を頂けると幸いです。
夜分に失礼しました。宜しくお願いします。
そう言えば、新株予約権の記事書いてなかったですね。では、来週中には書きますね。待てますか?とりあえず、ご質問の答えだけ。
例えば、次の取引を例に取得側の仕訳を考えてみましょう。
———————
■1年1月1日に以下の新株予約権付社債を取得し、払込額は現金で支払った。
額面金額:1,000円
払込金額:1,000円
社債の対価部分:900円
新株予約権の対価部分:100円
社債の償還日:×5年12月31日
クーポン:なし
定額法による償却原価法を適用すること。
■2年1月1日に新株予約権付社債のうち60%を行使し、社債で払った。
■2年12月31日新株予約件の権利行使期間が満了した。
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一括法で処理した場合(転換社債型の場合)
1/1/1(投資有価証券)1,000(現金)1,000
2/1/1(投資有価証券)600(投資有価証券)600・・・①
2/12/31 仕訳なし
①は、社債を株式に振り替えています。
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区分法で処理した場合(転換社債以外の場合)
1/1/1(投資有価証券)900(現金)1,000・・・②
(投資有価証券)100
1/12/31(投資有価証券)20(有価証券利息)20・・・③
2/1/1(投資有価証券)612(投資有価証券)552・・・④
(投資有価証券)60
2/12/31(投資有価証券)8(有価証券利息)8・・・③
(新株予約権失効損)40(投資有価証券)40
②の借方は900が社債、100が新株予約権の分です。
③は償却原価です。
④は借方は株式、貸方の552は社債、60は新株予約権の分です。
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ちなみに、上記では、勘定科目を「投資有価証券」としていますが、
実務的には「投資有価証券(A社社債)」とか「投資有価証券(A社新株予約権)」などのように区分して取扱います。
これは、試験では、「現金預金」で一括して扱いますが、実務では当然ながら銀行口座ごとに「◯◯銀行普通預金」とか「◯◯銀行当座預金」のように区分して扱うのと同じです。
有難うございます。
設例の新株予約権の対価部分1,000円は100円でしょうか?
上記取得者側の処理は発行者側では
一括法
(現金)1,000 (社債)1,000
(社債)600 (払込資本)600
区分法
(現金)1,000 (社債)900
(新株予約権)100
(社債利息)20 (社債)20
(社債)552 (払込資本)612
(新株予約権)60
(社債利息)8 (社債)8
(新株予約権)40 (新株予約権戻入益)40
となるのですね。
通常の有価証券(取得側) 社債(資金調達の為の発行者側)に
新株予約権がくっついただけで考え方は一緒なのですね。
またプロフェッショナル簿記でこの論点について説明頂けるなら
楽しみに待っています。
余談ですが、最新記事の数学力基礎では皆さんの計算式がすごくて
ついていくのに精いっぱいです。
しかし避けては通れないので頑張ります。
もう少し頭柔軟にならないのかなあ。
>設例の新株予約権の対価部分1,000円は100円でしょうか?
はい、そうです。修正しました。ありがとうございます。
>通常の有価証券(取得側) 社債(資金調達の為の発行者側)に新株予約権がくっついただけで考え方は一緒なのですね。
そうです。特に難しい箇所はないと思います。
取得側からしたら、別にそれが発行者にとって社債だろうが株式だろうが、単なる有価証券ですよね。どのみちその他有価証券として計上するわけです。特に転換社債型だと「単に社債の一部を株式に変換できる権利のついた有価証券」ということにすぎないので、一括処理は当然です。区分処理する理由がありません。
一方で、発行側は社債部分と株式部分というのは明確に分けるべきです。片や負債で片や純資産ですから。その点で、区分処理が原則というのは理にかなっています。しかし、転換社債型については、取得側はどうせ一括でしか権利を行使してこないので、発行側も一括処理でもいいよ、というルールですね。
いつも有難うございます。
取得者側の仕訳も理解すると、なぜ一括処理するのかが
スムーズに理解出来ました。
発行側は社債部分と株式部分というのは明確に分けるべきです。片や負債で片や純資産ですから。
→先生から頂いた言葉で区分法になるのは当然といえば当然ということに
今更ながら気づきました。
本当に分かり易かったです。
と共にもう少し自分で区分法の意味を理解すべきでした。
反省しております。
今回は出張の為、返信が遅くなり申し訳ありません。
よくわかりました。しかも面白かったです。ありがとうございます。
わかりやすい説明ありがとうございます。簿記一級の勉強を始めてみましたが、N社のテキストを読んでチンプンカンプンでした。2級の復習以外の部分はあまりよくわからないので、このサイトを利用させていただいています。テキストで一級の勉強内容を知って、理解はこのサイトという感じです。本当に助かっています。