みんな大好き!包括利益。うそつきました。

本試験までラスト1週間

いよいよ本試験まであと1週間。

ラストスパートしている人、淡々と日々の学習スケジュールをこなしている人、ん?本試験?何だっけ?それっておいしいの?と現実逃避している人など、さまざまだろう。

プロ簿記も明日の模擬試験解説会をもって、第6期の全講義スケジュールが終了。長かった。100回以上ライブ講義した。

今回、何人の合格者が出るかな。
この人、実力あるよな〜て人。報われて欲しい。

あと、ちょっと厳しいかな〜って人があっさり受かったりする。これも、いつものこと。試験だから何が起きるか分からない。いま、学習進捗が厳し目の人も、いい結果を信じてがんばろう。

包括利益は食わず嫌い?

さて、それはそうと、明日、最後の講義が待っている。模擬試験の解説会だ。商簿は、仕訳を使わないスピード解法テクと会計学は包括利益を中心にやろうと思っている。

特に包括利益が大事。
これ、びっくりした。基本問題なんだけど出来がよろしくない。あまりによろしくない。なぜにこんなに出来ないのか。

確かに講義もそんなにガッツリやったわけじゃないから、そのせいもあるかもしれない。

だけど、一番の原因は食わず嫌いだと思う。もしくは、連結の最後の方で出てくるから、もう力尽きちゃってあきらめちゃっているか。どちらにせよ、よろしくない。とりあえず試験対策だけなら、ほとんど労力使わずに解けるようになるから、解き方だけでもマスターしてほしい。

あと、たまたまなんだけど、ちょうど同じころ、このプロ簿記ブログのお問い合わせフォームからリクエストが来た。「包括利益について理解ができないです。組み替え調整など計算の仕方もピンときません。解説欲しいです。」あなた、独学?だとすると確かに厳しいよね。今の市販テキストで理解するのは大変だ。

ということで、今回は、本試験に即効で効く包括利益の記事を執筆しようと思う。久々のブログ記事執筆で腕がなるぜ。

包括利益を勉強する前の話

さて、何からいくか。

包括利益の計算(包括利益計算書の作成や連結S/Sの記入など)は、分かっちゃえば極めて簡単だ。機械的にサクッと解ける。

でも、それは、純資産の構造とか、基本的な連結がちゃんと分かっていることが前提。包括利益が分からないって人は、それ以前に連結が分かっていないという可能性がある。

あと、解くだけなら簡単だけど、その理論的背景までも習得しようとなるとなかなか大変だ。そもそも利益ってなんなのよ?ってところから勉強しなければならない。

前提として概念フレームワークをさわりだけでいいから勉強しておくとよい。理解しやすくなる。

あと、日本の会計が大事にしてきたこと(ざっくりいうと企業がどれだけ本業を頑張ったかを財務諸表に表したい)と、国際会計基準が求めていること(ざっくりいうと本業だろうと、たまたま買った株が値上がりしていようと、何でもいいから、どれだけ儲かったかが知りたい。M&Aをする企業や投資家目線で見ている。)の相違点に注目すると、何をしたいのかがわかりやすくなる。

このあたり、かなり面白い。いつか、しっかり記事を執筆したいと思う。

が。

本試験まであと1週間。そんなことを勉強している余裕はないはずだ。そもそも1級だとそんな理論問題は出にくいし、出てもみんな出来ない。合否に影響しない。そういうのは後回しだ。

こういうのはね、1級合格後にワイン片手に会計学の書籍で読むのがいいのよ。うーん、至福の時間。

ということで、ここでは、本試験に即効で効く包括利益の解法テクを紹介しよう。

そもそも包括利益ってなんなのか

包括利益の解法テクを紹介しようとは思ったものの、とはいえ、そもそも、包括利益ってなんなのか?それ自体、ふわっとした理解しか出来ていない人もいるだろう。そんな状態で小手先のテクだけを学んでも何も力にならない。

ということで、そもそもの話だけど、包括利益が何かっていうのを超簡単に説明する。

ちなみに、市販テキストを見てみたんだけど、こりゃ駄目だね。独学者には辛い。こんな感じで書かれていた。

包括利益とは、ある企業の特定期間の財務諸表において認識された純資産の変動額のうち、当該企業の純資産に対する持分所有者との直接的な取引によらない部分をいう。包括利益のうち当期純利益及び少数株主損益に含まれない部分を、その他の包括利益という。(包括利益の表示に関する会計基準)

いや、だから無理だって。市販のテキストはこの文章をベースに、噛み砕いて解説しようとしているけど、読者は、もう頭が拒否反応示しているから無理だって。

確かに大事なんだけどね。物事には順序っていうのがある。ここから入っちゃだめ。ということで、基準はさておき、誰でもわかる普通の感じで説明してみる。

超簡単な包括利益の例

要するに今まで利益っていうと、商品仕入れて販売して、そこから得られたものを利益と言ってるわけなんだよね。

ちょっと細かい事言うと「何をもって販売と言うか」が難しいのだけど、まあ、商品を相手に引き渡して、対価が確実にもらえる状態とみなせるなら、販売できたってことにしようというルールがある(これを実現主義っていう)。つまり、今までの利益って、実現した利益だけのことなんだ。

でもね。例えばその他有価証券を買って、これが値上がりした場合、どうすればいいんだろう。買っただけで、まだ売ってないよ。ただ値上がりしただけ。つまり含み益がある状態。

これ、従来の日本の会計では利益とは見てなかったんだよね。つまりPLには計上しなかった。でも、含み益だって利益って言えば利益でしょ。含んでるだけで実現していないけど。そこで、それも利益として含めようよっていうことにした。

つまり、実現利益と含み益をあわせた新しい利益の概念を作ることにした。これが包括利益。極めて簡単でしょ。

たとえば、1,000万円を元手に何か商売を始めたとする。うち、200万円は株を買った。残りの800万円は商品仕入とか販管費に使った。その結果、当期は販売によって300万円利益が出た。それだけじゃなく株は220万円に値上がりした。

さて、当期の利益はいくらかって話。

当期純利益(実現利益)は300万円、含み益は20万円、包括利益は320万円、とこういうこと。簡単。難しく考えてはいけない。

ちなみに、ここではわかりやすさ優先で”含み益”って書いたけど、会計的には「その他の包括利益」っていう。英語だとOCI(Other Comprehensive Income:アザー・コンプリヘンシブ・インカム)っていう。

包括利益を勉強する前にこれも知っておいてほしい

知ってもらいたい理論背景としては、上記くらいでまあ大丈夫なんだけど、もうひとつ、大事なことを思い出したので書いてみる。

利益ってどうやって算出するかって話。

企業会計原則っていう会計の憲法みたいなやつ(だいぶ古くなっちゃったけど)は、これ、明確にP/L重視で、要するに収益から費用を引いたものが利益だよって、定義している。

でもね、同時に、利益はこうも計算できる。

利益=期末のB/S純資産−期首のB/S純資産

そして、ここ、大事なところなんだけど、このP/Lから出した利益とB/Sから出した利益は基本同じ額になる。

これは、よく水の入った桶で説明される。もともと100リットル入った桶があって、80リットル入れて、60リットル出したとする。結果、桶には120リットルの水が入っている。

さて、正味、どれだけ水は増えたか(利益が出たか)を考える。

PL的に考えるなら、入れた水(収益)80−出した水(費用)60=利益20
BS的に考えるなら、最後の水の量120−最初の水の量100=利益20

どちらも同じだよねってこと。当たり前。実は、こんな一見すると当たり前のようなことにも名前がついている。これをクリーン・サープラスという。サープラスって利益剰余金って意味なので、無理やり訳すと利益剰余金の関係がB/SとP/Lできれいな状態にあるという感じ。

で、理由はさておき、日本の会計は、P/L推しなのね。
で、国際会計基準は、B/S推しなのよ。

でも、まあ利益に関していえば、P/L推しでもB/S推しでも、どちらでも同じ金額になるんだから、いいじゃない、って感じなわけ。

と思ってたら、ここで問題が生じるわけよ。

そう。含み益。

P/Lベースで利益を出すと、そこには含み益は入れてもらえない。
B/Sベースで利益を出すと、含み益は当然にカウントされる。というか自然に入ってしまう。

つまり、含み益があると、P/Lベースの利益とB/Sベースの利益が異なってしまうわけ。つまり、クリーン・サープラスが崩れてしまう。この状態をダーティ・サープラスっていう。汚い利益剰余金?

で、これをなんとかしようよってことになった。そこで、色々工夫した。その結果、わかりにくくなったと。そんな感じ。

組替調整(リサイクリング)なんてまさにそう。

ねじれた状態のとき、ねじれを修正する方向に行くのではなくて、ねじれ状態を維持しながら、なんとか体面を保とうとすると、むちゃくちゃ悪化する、という経営者なら誰もが経験することをきっと会計学者は体験していなかったのだろうと思わざろう得ない所業なわけ。

リサイクリングって初めて聞いたとき、は?俺、ジョギング派なんだけどって思った。ジョギングしていると自転車邪魔。それはサイクリングだね。うん、スベった。知ってる。

このあたりは、とりえず試験対策的には、スルーしよう。いや、いずれ記事にはするけど、とりあえず今はスルー推奨だ。

包括利益を勉強する前にこれも知っておいてほしい2

あと、包括利益の記事をマスターする前に、もう1つ知って欲しいことがある。

用語だ。会計は用語を大事にしてほしい。用語の理解がふわっとしている方は今一度正確な用語の意味を勉強してほしい。それだけで、今まで甘い理解だった論点がしっかり分かったりするから。

ここで、知ってほしいのは、つぎの5つだ。

  1. 当期純利益といえば、P/Lで算定される実現利益のこと。大事なことは、会計期間(ここでは1年間とする)の分ということ。累積されたものじゃないよ。
  2. 利益剰余金といえば、B/Sの純資産に計上される実現利益のこと。大事なことは1年分ではなくて、累積されたものってこと。
  3. 評価・換算差額等といえば、(個別F/Sの)B/Sの純資産に計上される含み益の表示される場所のこと。大事なことは1年分ではなくて、累積されたものってこと。
  4. その他の包括利益といえば、連結包括利益計算書(C/I)で算定される含み益のこと。大事なことは、1年分ということ。累積されたものじゃないよ。
  5. その他の包括利益累計額といえば、(連結F/Sの)B/Sの純資産に計上される含み益の表示される場合のこと。大事なことは1年分ではなくて、累積されたものってこと。

上記の3と5は、個別F/Sか連結F/Sかの違いだけってこと。正確に覚えよう。

ごめん、長くなったので次回に続く

では、長い前置きはこれくらいにして、ここからは、本試験対策講座としよう。

小1時間勉強すれば、しっかりマスターできて、本試験でも十分対応できるすぐれものだ。

では、いくよ。本試験レベルのサンプル問題作ったので、それを使って見ていこう。

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