第167回日商簿記1級合格体験記【H/Wさん】

この度3回目の受験(1回目の受験後プロ簿記に入会)で合格することが出来ました。
点数の推移は67点→72点(商業簿記7点で足切り不合格)→84点(商23会24工15原22)でした。
私がこれから簿記1級合格を目指す方々に向けて伝えたいことは二つあります。それは①完璧主義にならないこと②目的と手段を逆転させないことです。
①完璧主義にならないこと
合格者より不合格者が圧倒的に多い資格(1:9)ですから誰でも頑張れば受かるといった易しいものではありません。しかし、合格者のレベルは一般に思われているより高くありません。(もちろんもの凄く優秀な方もいます。)ここでいう「レベルが高くない」というのは簿記1級で出題されうる全ての論点について正確に講師レベルで理解しているわけではないということです。
私は今回、商会で47/50取っていますが、試験を受ける前日の段階で、30%の論点に関しては完全に腹落ちして、50%に関してはある程度理解して、残りの20%に関していえば完全に暗記で乗り切ろうという状況でした。
例えば、包括利益計算書のその他の包括利益に関しては個別B/Sの数字を用いて算定できるように練習はしていましたが、リサイクリング等一歩踏み込んだところまでは対策が回っていません。分配可能額も理解に努めましたが、何度やっても忘れるので、最終的には直前の暗記で乗り切っています。
一般に理解と暗記ではどちらが重要か議論されることがあります。もちろん講義を聴いて全て理解して腑に落として問題を演習するというのが理想でかっこよくはありますが、現実として、理解の程度は0or100ではありません。
特に簿記は「習うより慣れろ」的な側面が強く、問題演習が進んでくるうちに理解が深まってくることが多多あるので講義を聴いて理解できない部分があるからといってそこで留まることはせずに、ある程度の理解で次に進むのが良いと思います。合格点を取ることと会計の理解を深めることは同義ではありません。理想は全ての論点について納得して、自分の言葉で他人に説明できるようになることだと思いますが、実際問題時間的な制約がありますし、また得意不得意によって論点の理解度に差が生まれるでしょう。
ただ、理解することで勉強それ自体が面白くなったり、暗記の負担が軽減されるため、理解しようと努力することはとても大事です。ここで重要なのは「完璧な理解」を求めてはいけないということです。
合格するためには講義と自学自習の往来を通して理解の程度を「徐々に」上げていくということが肝要です。
②目的と手段を逆転させないこと
目的は合格(70点以上を取ること)であって勉強はそのための手段に過ぎません。大事なのは1日に何時間勉強するかということや何ページ進めたとういうことではなく、いかに「脳みそに汗をかいたか」ということです。
そのために例えば、一つの連結の問題に対してタイムテーブルや仕訳が短時間で正確に導出できるか、リースの借り手・貸し手の会計処理が瞬時に想起できるか、個別原価計算の問題で売上原価を求めよという問題で集計すべきはどの製造指図書か等といった基礎的な問題に対して自分の言葉で説明できるようになることが大事です。問題集や過去問はそれを実践するための手段に過ぎません。極論を言えば、30分でリース、減損、資産除去債務の解法のポイントを説明できるのであればやみくもに沢山の問題集に手を出す必要はありません。
もちろん問題演習を繰り返す過程で解法が頭に刷り込まれていくこともありますので、問題演習を否定するものではありません。
重要なのは同じ問題を5回解く10回解くといったように問題を解くことが目的となるのを防ぐことなのです。「脳みそに汗をかく」勉強は非常に負荷がかかるため最初は大変ですが、慣れてくれば短時間で多くの論点を復習することができるため記憶の定着につながります。
おすすめの勉強法
教材に関してはプロ簿記の教材を使い倒すことで他には何も要りません。
過去問からは多くのリバイバル問題や、少ないながらも同じ問題(例;167回の用語穴埋め「後発事象」等)があるので過去問演習は特におすすめです。
ある程度学習が進んだら、掲示板を中心に学習を進めるのも良いかもしれません。
例えばあるAさんが「問題集の〇ページの前T/Bの数字が〇〇〇で決算整理を反映した結果xxxになると思うのですが解答は▲▲▲とあります。私の考えに何か間違いはあるでしょうか。」という質問をしていたとします。その際、掲示板の答えを見るのではなくまずは実際に自分で問題集の該当箇所を開いて問題を解いてみる。そしてAさんの考えに明らかな勘違いや誤りがあればどこが間違っているのか自分自身に説明してみた上で、他の人の返信を見てみる。掲示板を用いたこのような勉強ができる点がプロ簿記の最大のメリットだと考えます。
Aさんをはじめ他の質問投稿者の方も同じ受験生ですからだいたい躓く場所は同じです。
ただ質問掲示板の質問数は膨大な数なのでこれも気分転換に興味のあるトピックを用いて行うのが良いのかと思います。
最後に
オンデマンド会員としてプロ簿記にはとてもお世話になりました。プロ簿記の講義や掲示板には会計の本質を理解するための指針を提供していただきました。
また全経上級合格やプロ簿記の模擬試験で上位になった際には運営のdeshi01号さんに暖かい励ましのメッセージをいただきました。
合格体験記を書いている過程で毎日見ていた講義や掲示板のことを思い出しました。久しぶりに先生の講義を視聴したり、掲示板から学びを得たい気持ちになりました。
プロ簿記から離れるのは心惜しいですが、さらなる目標に向かって進んでいきたいと思います。本当にありがとうございました。
