第199回全経上級・工業簿記レビュー

第1問 等級別原価計算

第1問目レビュー

もしかすると、試験委員変わった?と思わせるくらい近年の過去問と難易度が異なる問題でした。極端にやさしくなりました。

非度外視法であることをのぞき簿記2級レベルです。ケアレスミスをするかしないかが勝負の分かれ目でしょう。

目安解答時間20分、目標点数50点/50点、許容点数40点/50点

解説

問1

等級製品A
月初 100 完成品 3,800
  30    
当月 4,000 正常減損 100
  3,930   40
    月末 200
      120

直接材料費の積数:4,000×1=4,000
加工費の積数:3,930×1=3,930

等級製品B
月初 200 完成品 4,600
  80    
当月 5,400 正常減損 200
  5,020   100
    月末 800
      400

直接材料費の積数:5,400×0.8=4,320
加工費の積数:5,020×0.7=3,514

等級製品C
月初 200 完成品 3,600
  100    
当月 3,900 異常減損 100
  3,680   20
    月末 400
      160

直接材料費の積数:3,900×0.6=2,340
加工費の積数:3,680×0.5=1,840

問2

直接材料費

直接材料費の当月製造費用2,665,000円を各製品の積数で按分するだけ。
積数合計:4,000+4,320+2,340=10,660
等級製品Aの直接材料費:2,665,000円÷10,660×4,000=1,000,000
等級製品Bの直接材料費:2,665,000円÷10,660×4,320=1,080,000
等級製品Cの直接材料費:2,665,000円÷10,660×2,340=585,000

加工費

加工費の当月製造費用1,392,600円を各製品の積数で按分するだけ。
積数合計:3,930+3,514+1,840=9,284
等級製品Aの直接材料費:1,392,600円÷9,284×3,930=589,500
等級製品Bの直接材料費:1,392,600円÷3,514×3,930=527,100
等級製品Cの直接材料費:1,392,600円÷1,840×3,930=276,000

問3・問4

各等級製品の月末仕掛品単価および払出単価(平均法)
  等級製品A 等級製品B 等級製品C
直接材料費 @265*1 @220 @180
加工費 @152*2 @108 @80

*1 (月初86,500+当月1,000,000)÷(月初100+当月4,000)=@265円
*2 (月初12,420+当月589,500)÷(月初30+当月3,930)=@152円

以下、等級製品B、Cも同様

各等級製品の月末仕掛品、減損、完成品への原価配分
    等級製品A 等級製品B 等級製品C
減損 直接材料費 26,500*1 22,000 18,000
  加工費 6,080*2 10,800 1,600
  合計 32,580 32,800 問3 19,600
月末 直接材料費 53,000*3 176,000 72,000
  加工費 18,240*4 43,200 12,800
  合計 71,240 219,200 問4 84,800
完成品 合計 1,584,600*5 1,508,800 問4 936,000

*1 @265×100=26,500
*2 @152×40=6,080
*3 @265×200=53,000
*4 @152×120=18,240
*5 (@265+@152)×3,800=1,584,600 もしくは貸借差額

等級製品B、Cも同様

等級製品Aの月末仕掛品原価と完成品総合原価

等級製品Aの正常減損費32,580の月末仕掛品と完成品への配分

  1. 減損発生点が0.4、月末仕掛品が0.6であるため完成品と正常減損費は月末仕掛品の両者で負担する
  2. 原価配分方法が平均法であり、かつ正常減損が定点発生のため、負担割合は完成品と月末仕掛品の物量の割合(3,800:200)で按分する

月末仕掛品への配賦額:32,580÷(3,800+200)×200=1,629
完成品への配賦額:32,580÷(3,800+200)×3,800=30,951

月末仕掛品原価:71,240+1,629=72,869(問4)
完成品総合原価:1,584,600+30,951=1,615,551(問4)

等級製品Bの月末仕掛品原価と完成品総合原価

等級製品Bの正常減損費54,800の月末仕掛品と完成品への配分

  1. 減損点が平均的に発生なので正常減損費は月末仕掛品の両者で負担する
  2. 原価配分方法が平均法であり、かつ正常減損が平均的に発生のため、負担割合は完成品と月末仕掛品の完成品換算量の割合(4,600:400)で按分する

月末仕掛品への配賦額:54,800÷(4,600+400)×400=4,384
完成品への配賦額:54,800÷(4,600+400)×4,600=50,416

月末仕掛品原価:1,508,800+4,384=1,559,216(問4)
完成品総合原価:219,200+50,416=223,584(問4)

第2問 本社工場会計

第2問目レビュー

簿記2級の基本問題レベルでした。少しだけ引っかけ問題が入っていますが、それにしても基本問題です。なぜここまで易しくした?

目安解答時間10分、目標点数30点/30点、許容点数18点/30点

解答・解説

(1) 材料 320,000 本社 320,000
(2) 仕掛品 250,000 材料 320,000
  製造間接費 70,000    
(3) 賃金給料 500,000 本社 500,000
(4) 本社 1,344,000 内部売上 1,344,000
  内部売上原価 1,200,000 製品 1,200,000
(5)   仕訳なし    

特に解説はありません。そのまんまです。

あえて言えば(3)でしょうか。

手拍子に、賃金給料500,000/預り金50,000・・・ とまで書いて、はたと、残りの45万円はなんだ?現金か?当座預金か?迷って許容勘定科目を確認したくなります。

すると、どちらもない!と驚くことになり、あ、そうか、これ工場に現金預金勘定が設置されていて経理処理をしているわけじゃないんだ、本社でやっているんだと気付かせる仕組みでした。

あと、(4)は売上原価対立法ですが、これを忘れてしまっていた方もいたかもしれません。ミスしそうなのは、それくらいでしょうか。

なお、(5)の「仕訳なし」は、問題文によると「借方金額欄に記入せよ」とあるわけですが、これ、もし借方科目欄に記入したら×なんですかね?まあ、わざわざ指定しているわけですから、×なんでしょうね。

うーん、なんか、こういうところで失点させるの好きじゃないな。なんでわざわざ金額欄にしたんだろ。注意力を測定したかったのか?

第3問 標準原価計算・歩留配合差異

第3問目レビュー

ようやく簿記1級の問題となりました。

が、テキストの設例をそのまま持ってきたような、何のひねりもない問題でした。さすがに、これは簡単すぎるのでは。

目安解答時間10分、目標点数20点/20点、許容点数20点/20点

解答・解説

  標・標 標・実 実・実
X 2,480*2 2,512*8 2,198*4
Y 620*3 628*9 942*5
  3,100*1 3,140*7 3,140*6

番号どおりに数値を埋めていくと簡単です。

*1 製品Aの生産量2,790kg÷0.9=3,100kg
*2 3,100kg×0.8=2,480
*3 3,100kg×0.2=620
*4 問題文より転記
*5 問題文より転記
*6 2,198kg+942kg=3,140kg
*7 *6をそのままコピー
*8 3,140kg×0.8=2,512kg
*9 3,140kg×0.2=628kg

Xの歩留差異:(2,480kg−2,512kg)×@600円=△19,200円
Xの配合差異:(2,512kg−2,198kg)×@600円=+188,400円

Yの歩留差異:(620kg−628kg)×@300円=△2,400円
Yの配合差異:(628kg−942kg)×@300円=△94,200円