第173回の連結会計で傾斜配点はあるか?

第173回商業簿記(連結会計)の配点分析

今回の商業簿記の連結会計は、そのあまりに高い難易度から、受験直後は間違いなく傾斜配点になるだろうと思っていましたが、冷静に分析するとそうでもないことが分かりました。

配点が来る可能性のある箇所は、BSで18箇所。PLで14箇所です。
(BSの合計欄やPLの売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益は除きました。)

この32個所の内訳は次のとおりです。詳細は下の配点箇所分析をご覧ください。

  • A 簿記2級レベルの知識だけで得点できる箇所(9箇所)
  • B 勘で答えれば正解する可能性が高い箇所(3個所)
  • C 個別財務諸表の金額か「0」かの2択で正解になる箇所(6箇所)
  • D 今回のメインテーマであり難問といえる箇所(8箇所)
  • E 正解するのがかなり困難な箇所(6箇所)

結局、2級の知識にプラスして、あとは勘で答えたり、2択で答える箇所が半分くらい正解取れていれば13〜14点くらいは取れる問題だったのです。(すべてに配点があればですが)

つまり、超難問であるにも関わらず、それらを一切無視してもそれなりの点数は取れるわけで、傾斜配点にはならない可能性が高いと思います。

逆に、まず無理だよねという箇所が6箇所ありますから、そこにすべて配点が来るなら上限は19点くらいです。この場合、2級レベルの受験生でも会計士受験生レベルでも、いずれも10点台となる可能性が高く、実は商簿では大して差が付かなかったということになります。

その点を考慮すると、今回、合否にもっとも影響を与えたのは、(工原は少なくとも8割以上は取れている前提で)会計学だったのではないかと思います。

結論

結局、超難問に惑わされることなく、基本的な知識で取れる箇所をしっかり取り切ることが大切だったということです。今回はそれで十分にしのげました。

配点箇所分析

A.簿記2級レベルの知識のみで得点できる箇所(9箇所)

  • 契約資産
  • 商品
  • 関係会社長期貸付金
  • 関係会社長期借入金
  • 資本金
  • 資本剰余金
  • 受取配当金
  • 受取利息
  • 支払利息

B.理解していなくても多分こうだろうという勘で取れる箇所(3個所)

  • 顧客関連資産
  • 顧客関連資産償却額
  • 未払費用

C.個別財務諸表の金額を写すだけもしくは「0」と回答するかの2択(6箇所)

  • 企業結合に係る特定勘定
  • 新株予約権
  • 株式報酬費用
  • 株式報酬受入益
  • 関係会社株式評価損
  • 未収入金

D.今回のメインテーマであり難問といえる箇所(8箇所)

  • 売掛金
  • 買掛金
  • 事業構造改善費用
  • 備品
  • 関係会社株式
  • のれん
  • のれん償却額
  • 非支配株主持分

E.正解するのがかなり困難な箇所(6箇所)

  • 利益剰余金
  • 売上高
  • 売上原価
  • その他営業費
  • 非支配株主持分に帰属する当期純利益
  • 親会社株主持分に帰属する当期純利益

“第173回の連結会計で傾斜配点はあるか?” に対して8件のコメントがあります。

  1. kabki535 より:

    お疲れ様です。
    今回の試験はどの科目も傾斜配点はない感じですかね。自分は商簿で素点ベースで8から7点と足切りをしてしまい、合計で65から67点なので今回の合格はかなり厳しいですよね。
    7月の全経簿記上級を受けるので切り替えて頑張りたいと思います!

    1. pro-boki より:

      そうですね。多分ですが商簿の傾斜配点は無いのではないかと思います。プロ簿記受講生の点数を見ても、むしろ商簿より会計学の方が平均点が低い傾向にあります。

      7月の全経上級がんばってください。全経上級は良い試験です。

  2. ねこ より:

    傾斜配点について説明をありがとうございます。
    E.正解するのがかなり困難な箇所(6箇所)に配点が振られず、それ以外の26箇所に25点全ての点数が張られる可能性はあるのでしょうか?

    1. pro-boki より:

      あまりに平均点が低ければ、そうするんじゃないかと思います。

      平均点が高めに出た場合は、売上高、売上原価、非支配株主に帰属する当期純利益のいずれか1つまたは複数に配点が来るのではないかと思います。

  3. asd より:

    傾斜配点に期待していましたが、今回は無さそうなんですね。概ね、今各スクールから出てる解答速報通りの配点になりそうということでしょうか?
    ギリギリ10点超えてるくらいなので、場合によっては足切りもありそうでね。

    1. pro-boki より:

      >各スクールから出てる解答速報通りの配点になりそうということでしょうか?

      はい、そう予想しています。ただ、解答速報の予想配点もスクールによって結構差がありますよね。CPAラーニングが比較的甘めでTACとクレアールが辛めの印象です。素点ベースで5点以上差がありますので、どのあたりに着地するかはちょっと分かりません。

  4. masabon より:

    ご無沙汰しています。

    今回の商簿の試験ですが、最初の先生のコメントで「素点ベースの平均点は多分25点満点で4点とか5点とかだと思います」
    とありましたので、自己採点前にビビってしまったのですが、蓋を開けてみたら15~16点が取れていました。

    2点程、お聞きしたいことがあります。

    ①今回の出題内容で「親会社と子会社間の出向者の人件費負担」や「連結子会社がさらに子会社を取得して、孫会社が発生する連結」等は、いずれも私が実務上で経験がある
    ことで「何だか試験内容が実際の実務内容に寄り添ってきたな」と試験時間中に考えていたのですが、今後もこういった内容が踏襲されるでしょうか?
    ②今回の商簿の得点戦略として「出来る問題を粘り強く拾っていく」ことに異論はないのですが、実際の実務(例えば連結財務諸表の作成)では「出来るところだけ仕事して、後は分からないので未完成です」というのは、当たり前ですが通用しないです。
    最近の日商簿記1級の商簿は「全体像は分からないけれど、まあ出来るところを拾って足切りを回避しましょう」的な内容が多く、こういった問題の出し方では、実際の実務で役に立つ人材が育つのかが甚だ疑問です。

    長文、失礼致しました。
    どうぞよろしくお願い致します。

    1. pro-boki より:

      ①について

      どうでしょうか。分からないです。たまたまのような気がします。
      今回の問題は会計士論文式のような問題でした。例えば、平成30年の論文式の連結は「子会社が研究開発をしていて個別上は費用処理しているけど、親会社が支配を獲得するときにそれを仕掛研究開発として資産計上する」という問題が出ています。これは、今回の173回の1級の顧客関連資産によく似ています。要は評価差額として計上し、支配獲得後に償却することで評価差額の実現の処理を行う論点です。

      この論文式の連結の問題解きましたが、正直、問題自体は今回の1級の方が難しいと思います。(ただし、点の取りやすさは1級の方が取りやすい)

      このような会計士の論文式レベルの問題が今後とも続くとは現段階では思えません。今回がたまたまではないかと思います。

      ②について

      資格勉強と実務で乖離があるのは、簿記会計に限らず、IT系、不動産、建築、法務、医療など、ほぼすべての分野で該当することではないでしょうか。資格は実務を行う上での必要条件にすぎません。実務で役立つ人材になるためには、実務でがんばるしかないと思います。どの分野でも同様かと思います。

      まあ、それはさておき、確かに1級は作問下手だなとは思います。下手すぎて、実力が反映されず運要素が強すぎる問題だなぁと、よく思います。

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